2023 Fiscal Year Annual Research Report
Self-aligned amorphous nanostructure patterns for large-area metasurface
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21K04894
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 信 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60706836)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱ふく射 / 自己組織化 / 近距離秩序 / メタサーフェス |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の人工構造表面(メタサーフェス)による熱輻射スペクトル制御技術では構造の周期性、均一性が制御特性に大きく関与するため、大面積作製プロセスにおいて発生する構造欠陥によって熱輻射スペクトル制御性能が大きく低下してしまうという課題があった。一方、短距離秩序が存在する非周期構造では電子と同様に光子のアンダーソン局在が生じ、非周期でもフォトニックバンドギャップが形成するといった特異な光学特性の発現が知られており、これらの現象に基づくスペクトル特性は本質的に構造欠陥の影響を受けにくいと考えられる。本研究では申請者がこれまでに実現しているスピノーダル分解に基づくアモルファス配列構造作製技術に基づき、構造パラメータが制御特性へ与える影響を明らかにし、非周期構造でも高いスペクトル制御性を有する技術を確立し、高いスペクトル制御特性を有するメタサーフェス大面積化技術による微細構造を用いたスペクトル制御技術の実用化を目指す。 これまでにNi基超合金のスピノーダル分解に起因するアモルファス配列構造において配列性の熱処理条件等による制御性を評価し、溶体化処理後の冷却速度によって配列性の制御が可能であることを見出し、さらにNi基超合金のスピノーダル分解に起因するアモルファス配列構造において生じる、欠陥の影響を受けにくい高い波長選択吸収特性のメカニズムについて平面波展開法を用いたバンド解析から計算される光子の状態密度解析および構造における電場解析によって明らかにしてきた。それらの知見に基づき、今年度はさらに対酸化性も考慮した最適配列構造を作製し、大気中高温下において応用可能な太陽光選択吸収材料を実現した。以上の研究により、スピノーダル分解に基づくアモルファス配列構造を用いたスペクトル制御実用化に向けた基盤技術を確立することができた。
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