2021 Fiscal Year Research-status Report
高精度万能旋光計の原理を取り入れた光イメージング装置の開発
Project/Area Number |
21K04897
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
三浦 陽子 鈴鹿工業高等専門学校, 教養教育科, 准教授 (20456643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真中 浩貴 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (80359984)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 旋光性 / イメージング技術 / 複屈折 / 偏光解析技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
旋光性とは分子や原子配置が左か右に回転することによって, 光の偏光面が回転する現象である。したがって旋光性の回転方向とその大きさは, 結晶構造と密接に関連していることが知られている。しかし多くの旋光性物質では大きな複屈折が旋光性を覆い隠し, これらの分離を困難にさせているため, 研究の発展を妨げてきた。 本研究の目的は, これまで開発してきた光イメージング装置に高精度万能旋光計(HAUP)の測定原理を疑似的に適用して, 重畳した複屈折と旋光性の寄与を分離し, それぞれのイメージング像を取得する方法を開発することである。 今年度はHAUP法を擬似的に実行できるように, 測定装置の光学系を更新した。その結果, 測定データの取り込み速度がこれまでの3倍以上となり, 測定時の積算回数を増やすことで測定精度を向上させることが可能となった。次に, 円偏光や直線偏光だけでなく, 楕円偏光を試料に入射して, 偏光状態が正確に測定できるかを確認した。その結果, 入射光を直接測定する際には問題は生じなかったが, 出射光が1万nmを超える大きな位相差を示す複屈折物質に直線偏光を入射した実験では, シミュレーションから期待される結果と大きく異なった。更新した測定システムを詳細に検証した結果, この相違の原因は高精度で, なおかつ高速で偏光状態を求める際に測定プログラムが実行する補正作業に問題があることを突き止めた。 来年度は更新した測定プログラムを修正するべきか, それとも補正作業の寄与を考慮して疑似的なHAUP法の測定方法を変更するかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
位相差が1万nmを超える高複屈折物質に直線偏光を入射した時, 出射光の偏光状態がシミュレーションの結果と大きく異なった。その原因を追及するために, 今年度は多くの時間を費やした。この原因は測定プログラムによるものと分かったので, 今後はその影響を回避する方法を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に更新した測定プログラムを修正するべきか, それとも補正作業の寄与を考慮して疑似的なHAUP法の測定方法を変更するかを検討する。 さらに旋回性相転移や自然旋光性を示すいくつかの典型試料を用いて, 複屈折と旋光性を分離したイメージング像の取得方法を実際に検証する。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要でも記載したが, イメージング装置を予定通りに更新した後に想定外の問題に直面しため, 予定通りに予算執行が出来なかった。また新型コロナウィルス感染症の影響もあり, なかなか思うように出張も出来なかったことも原因としてある。 今後の方針でも記載したように, いくつかの課題について慎重に検討しながら予算執行を行う予定である。
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Research Products
(2 results)