2021 Fiscal Year Research-status Report
混合鉱化剤を用いた酸性アモノサーマル法による高品質GaN結晶の作製
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21K04901
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
冨田 大輔 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任准教授 (30431472)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 酸性アモノサーマル / 窒化ガリウム / 結晶成長 / バルク単結晶 / 超臨界アンモニア |
Outline of Annual Research Achievements |
アモノサーマル法はGaN on GaNデバイスを実現できるGaN基板を作製可能な方法として期待されている。アモノサーマル法によるGaN結晶の作製では鉱化剤の種類により、溶解度の温度依存性、結晶成長速度、結晶の品質が大きく変化することが知られている。しかし、混合鉱化剤を用いたGaNバルク単結晶育成に関する研究は僅少である。本研究の目的は結晶成長速度に対して最適な鉱化剤と結晶の品質に対して最適な鉱化剤を混合することで、大口径かつ高品質なGaN基板作製法を確立するものである。本年度は鉱化剤混合効果の検討を行なう準備段階として、酸性鉱化剤でも研究例が僅少な臭化アンモニウムを用いてアモノサーマル法によるGaN結晶育成について検討した。また、フッ化アンモニウムを主な鉱化剤として塩化アンモニウム, 臭化アンモニウム, 沃化アンモニウムをそれぞれ添加し、結晶成長に与える影響について検討した。 臭化アンモニウムを鉱化剤に用いたGaN結晶育成では上下ヒーターの温度差を50~100℃で変化させ、原料搬送量、結晶成長速度および結晶配向性について検討した。 フッ化アンモニウムを鉱化剤に用いた場合に配向性の高い結晶が得られる条件を基に、塩化アンモニウム, 臭化アンモニウム, 沃化アンモニウムを0.4 mol%添加し、原料搬送量、結晶成長速度および結晶配向性に与える影響について検討した。原料搬送量は溶解度の温度依存性が異なる鉱化剤を混合することにより、混合比を調整することで原料搬量を制御できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度に行なう予定の最適な混合鉱化剤の選定に向けて、酸性鉱化剤の中でも研究例が僅少である臭化アンモニウムを鉱化剤に用いたGaN結晶の育成について検討を行なったのに加え、混合鉱化剤を用いたGaN結晶育成に関しても一部検討を行なうことができたことから、おおむね順調に進んでいると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実施計画の通り、酸性鉱化剤の中から最適な組み合わせ選定し、鉱化剤の混合比が結晶成長および結晶品質に与える影響について検討を進める。
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