2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K04931
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐中 薫 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 准教授 (00450172)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子もつれ光子 / 誘導放出 / 受動光学素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在実用化が進められている量子暗号システムには、通信者間で共有する暗号鍵の複製の可能性を完全に排除することができないという技術的課題、そして光ファイバーネットワークにおいて暗号鍵を担う通信信号の損失を補うため光増幅を行うことができないという原理的課題が残されている。本研究では、本研究室で独自に開発された検出方法に依存しない「無条件の量子もつれ光」の発生手法、および本研究室で実験的に確認された量子もつれ光の誘導放出手法を組み合わせることで、上記の技術的・原理的課題を同時に解決する「量子もつれ」をレーザーの原理である「誘導放出」により放出確率を増幅する試みを行い、受動光学部品のみを用いてこの量子もつれ光子の増幅実験によりこの効果を確認した。またこの量子もつれ光子の増幅実験における一般的な理論解析にも取り組み、実験結果および理論解析をまとめた結果を、学術論文にて発表した。またこの量子もつれ光子と共振器を組み合わせ、指数的な量子もつれ光子の増幅を可能にする「量子もつれ光子レーザー」の可能性にも着目し、同論文にて理論的な解析を行った。
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