2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on flow characteristics and interfacial transport mechanism in gas-liquid two-phase flow between fuel plates in research reactor
Project/Area Number |
21K04941
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沈 秀中 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (20362410)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 試験研究炉 / 燃料板間流路 / 気液二相流 / 流動特性測定 / ボイド率 / 界面積濃度 / 流動様式遷移 / 界面積濃度輸送方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
試験研究炉最適安全評価コードの物理モデルを構築・検証する目的を実現するために、令和3年度は初年度として以下の実験準備・研究と理論開発を実施した。 (1)試験研究炉燃料要素実寸大の狭隘円弧状流路試験部(隙間G3mm×高さH1m×幅L65.88mm×円弧半径R6cm)1体、気相と液相を均一に導入可能な気液混合器1体、気液分離器1体、水温度調整機能付き貯水タンク1体及びその実験ループを製作・設置した。(2)4本光ファイバーで構成する4センサー・プローブの計測系統を新しく整備・改良した。(3)試験部内圧力損失の変化に対応できるように差圧計測系統を設置し、広範囲の空気ー水気液二相流の局所圧力損失の計測を行い、流れ方向の平均ボイド率と圧力損失のデータベースを構築した。(4)高速カメラによる流動様式の観察実験を実施し、取得した流動様式データの分析によって狭隘円弧状流路試験部内気液二相流の流動様式特性の解明と流動様式遷移モデルの開発を検討した。(5)狭隘流路内広範囲気液二相流に対して高速カメラを利用した画像計測を行い、気泡をそのサイズにより一群小気泡群と二群大気泡群に分類し、それぞれ気泡群のボイド率、界面積濃度、気泡径、気泡密度のデータベースを構築した。(6)画像計測で取得した二群気泡実験データを既存の気泡合一・分裂モデルを含む二群気泡界面積濃度輸送方程式の予測と比較し、既存の二群気泡界面積濃度輸送方程式とその気泡合一・分裂モデルの問題点を明らかにした。(7)狭隘流路内気液二相流の界面積濃度輸送方程式開発の予備研究として、既存の二群界面積濃度輸送方程式及び気泡合一・分裂モデルを気液二相流の二流体モデルに導入し、それらのモデルの妥当性を検証する数値計算を実施した。(8)本年度の研究成果は国内外学術講演会で発表し、国際学術ジャーナルにも投稿・発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、実験実施環境(装置設置と計測方法構築)を概ね整えることが完了しており、初年度の狭隘円弧状流路内気液二相流の圧力損失と流動様式遷移データの取得ができた。更に高速カメラ計測により狭隘流路内気液二相流の二群気泡のボイド率、界面積濃度、気泡径、気泡密度のデータベースを構築した。それらの研究に関連する既存データとモデルに関する収集・検討も概ねできた。この結果、当初計画とおり、次年度以降は4センサー・プローブの詳細計測によるデータベースの構築及び界面積濃度輸送方程式などの開発作業に問題なく移行できることから本判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり研究が進展しており、このまま計画通りに研究を遂行する予定である。
|
Causes of Carryover |
理由:当初、流路内気液二相流の圧力損失計測に必要な複数台の液体差圧センサーを一部新たに購入する予定だったが、現有の部品の再利用ができ、次年度の一部使用額が生じた。新型コロナウイルス拡大の影響で、当初予定した学会での研究成果発表と研究調査の出張が中止になったため、その旅費が次年度の一部使用額になった。更に、実験実施の効率化により今年度の実験補助者の補助を利用しなかったことで、予定した人件費・謝金も次年度の使用額になった。 使用計画:令和3年度生じた次年度使用額を含む令和4年度の請求助成金の使用計画は以下のとおりである。 実験においては、消耗品である4センサー・プローブ部品の購入費及び実験装置とその計測系統の維持費等に充てるとともに、実験結果記録用媒体の購入費と実験の補助者への謝金として使用する予定である。一方、データ解析とモデル開発においては、国内外研究調査及び困難が生じた時研究協力者の援助を得るための招聘打合せを予定している。また、得られた研究成果を学会等にて発表するための出張旅費と参加費として使用することも考えている。
|