2022 Fiscal Year Research-status Report
Computational Scientific Study on Mechanism of Multiphase Thermal-Hydraulic Phenomena Related to IVR in Core Disruptive Accidents
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21K04944
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
守田 幸路 九州大学, 工学研究院, 教授 (40311849)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 計算科学 / 炉心損傷事故 / 粒子法 / 多相流 / 伝熱流動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高速炉の炉心損傷事故時の溶融燃料の原子炉内保持(IVR:In-Vessel Retention)を達成する上で重要な熱流動現象を解明するため、多成分多相流の伝熱・流動・相変化挙動等を精度よく解析できる計算科学的手法(粒子法)を用いた解析的研究を実施する。これまで実施された原子炉安全性試験におけるIVRの達成に関わる重要な支配現象を対象とした解析評価を行い、当該現象に介在する多成分多相流の伝熱流動挙動の機構を解明する。これにより、炉心損傷事故評価の信頼度を向上し、IVRを基本とする高速炉の安全論理の構築に資する。 令和4年度は、令和3年度に開発した3次元基本コードを用いて、解析対象として選定したEAGLE ID1試験の3次元解析を実施し、燃料ピン束の崩壊から燃料・スティールが混合したプールの形成によるスティール構造壁の熱伝達までの一連の挙動をシミュレーションした。その結果、構造壁の破損要因と推定される構造壁への高熱流束を生じさせる物理的なメカニズムが、溶融スティールを介した核発熱を伴う燃料からの熱伝達であることを裏付ける結果を得た。さらに、IVR達成のために重要な支配現象として、炉心から流出した高温のジェット状溶融炉心物質が炉内構造物(プレート)に直接衝突するジェット・インピンジメント挙動を対象とした粒子法シミュレーションを実施し、プレートの浸食挙動に影響を与える溶融プール形成やクラスト形成挙動について、既知の実験的知見と比較することで、本解析手法の適用性について検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、IVR達成のために重要な支配現象として、令和3年度に選定したEAGLE ID1試験を対象とした3D粒子法シミュレーションによる解析的研究を行う予定であったが、それに加えて、他の支配現象(ジェット・インピンジメント挙動)の解析も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
IVRを達成する上で重要な損傷炉心からの早期燃料流出及び原子炉容器内での燃料の安定保持・冷却に関わる熱流動現象について、安全性試験を対象とした3次元粒子法数値シミュレーション解析を継続して実施し、支配因子の影響度を定量的に明確化するとともに、安全評価の妥当性を確認するための新たな知見や裏付けを提供する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID19)の拡大により予定していた学会発表のための旅費が執行できなくなり、次年度使用額が生じた。このため、当該助成金は、 次年度、学会発表のための旅費として使用を予定している。
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