2022 Fiscal Year Research-status Report
Selective separation of platinum group elements by hybrid inorganic ion exchanger for recycle on nuclear decommissioning
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21K04948
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
阿部 達雄 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (20390403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 達也 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70323839)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 無機イオン交換体 / 白金族分離 / 廃炉リサイクル / ハイブリッド / 選択的分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在,原子力発電所の多くは,40年以上が経過している。福島の原子力発電所の事故に伴い,廃炉が多くなることが予想されている。廃炉から生じる可能性のある成分(鉄(Fe),モリブデン(Mo),スズなど)を回収して,無機イオン交換体を合成し,核燃料廃棄物中に多量に精製している放射線性が高く毒性のあるセシウム(Cs),ストロンチウム,アンチモン(Sb),ニオブ,セレン(Se),セリウム(Ce)などを取り除き,有用な白金族元素を回収することを目的とした。
今年度は,スズおよびジルコニウムを含むイオン交換体3種を合成した。XRD分析を行い各イオン交換体ともハローパターンが見られたことから不定形であることを確認した。また,熱分析を行いそれぞれ異なる物質であることを確認した。これらイオン交換体は、Fe,Mo,Cs,Sb,Se,Ceについて塩酸溶液中での吸着特性をバッチ試験で評価した。 塩酸濃度が0.03,0.1,0.3,1.0,3.0 mol/Lで試験を行ったところ,Fe,Mo,Sb,Seに対してよく吸着するイオン交換体があった。一方,今回合成したイオン交換体はCs,Ceをよく吸着するものはみられず,その他の元素を選択的に吸着していた
また,新規の無機イオン交換体として、アンチモン酸スズやタングステン酸スズ等を作成した。現在,完全に化学的な特性や構造の把握には至っていないが,ルテニウムの選択的吸着等を見せるなどの特徴を確認した。また,他の核分裂生成物として,アルカリ金属等の吸着特性も確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね,順調に研究が進んでいる。 アンチモン,スズ,タングステン,ジルコニウムなどの複数の異なる元素を含む無機イオン交換体が,特徴のある吸着特性により,廃炉リサイクルに有用であることがわかってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に合成した無機イオン交換体を参考にマッフル炉を用いた固層反応法等により複数元素を導入した新規ハイブリッド無機イオン交換体を合成する。 合成した無機イオン交換体の組成については,まだ不明なところもあるので安定した合成方法を確立すると共に更なる新規無機イオン交換体の合成についても検討を行い,元素の吸着についても廃炉リサイクルに必要な核種に広げると共,模擬廃液を用いてカラム法による白金族分離の実験も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に発注を依頼したが、納期が次年度になることが分かったため。
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Research Products
(5 results)