2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of cavitation erosion characteristics of a cross-flow turbine blade for utilizing undeveloped hydropower
Project/Area Number |
21K04964
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
飯尾 昭一郎 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (80377647)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クロスフロー水車 / キャビテーション / 振動騒音 |
Outline of Annual Research Achievements |
小規模水力発電で利用されるクロスフロー水車は単純構造であり、変流量特性に比較的優れることから流れ込み式の水力発電への適用が多い。一方、最高効率は他機種と比較して劣っている。令和3年度はクロスフロー水車の水車室内の流れ場の評価に注力することで、水車性能と内部流れ場との関係を評価した。両者の関係を評価するために、クロスフロー水車でランナからの流出流れが周方向速度成分を残して流出する点に着目し、流出流れを制御する方法としてケーシング形状について検討した。ノズル下流端に円筒状の空間とそこから鉛直下方向に流れを偏向する壁面を設けることで、流出流れが制御できることを実験的に示した。これらの変更により、水車効率が改善することを明らかにした。また、内部流れ場を模型試験とCFD解析で評価したところ、ランナの運転条件(回転速度係数、ガイドベーン開度)によって内部流れ場が変化し、ランナからの流出流れの方向制御が有効でない場合があることを明らかにした。さらに、本研究が対象としている振動騒音およびキャビテーションに関して、水車内部の圧力場を評価した。その結果、水車ノズル先端部において圧力変動が顕著となること、圧力変動と振動の卓越周波数が一致しており、それらが翼通過周波数と同一であることを明らかにした。また、ケーシング形状の変更により圧力変動と振動が抑制できることを明らかにした。キャビテーションの観察ができるように模型試験装置の改造に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水車の回転数を制御するモータ、インバータの納期がコロナ禍により大幅に遅れており、キャビテーションの観察に至っていない。当初予定していた実験機器の構成を一部変更し、機械式の制動装置を製作して対応をしたが、回転数制御の精度が十分でなく、詳細な検討に至っていない。上記の機器の納期が令和4年の8月頃となっており、それまではキャビテーションの観察に必要な改造のうちできるところから進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の最優先事項はクロスフロー水車ノズル先端部でのキャビテーションの発生状況の可視化観察に着手することである。モータおよびインバータが納品され次第、試験装置を完成させ、水車特性およびキャビテーションの発生状況、ノズル先端部での変動圧力の測定を進める。
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