2021 Fiscal Year Research-status Report
Energy yield modeling of novel tandem solar cells
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21K04972
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
太野垣 健 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80422327)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 太陽電池 / タンデム太陽電池 / エネルギー性能 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンデム構造太陽電池は、標準試験条件においては高い発電性能を示すが、屋外での発電電力量(エネルギー性能)が明らかでない。本研究では、新型のタンデム構造太陽電池についてエネルギー性能を推計する理論モデルを構築し、屋外実用条件におけるタンデム構造太陽電池の発電電力量を明らかにすることが目的である。実験室における標準試験条件でのパワー性能と屋外における発電電力量を接続するための学術的な基盤を構築し、開発中の新型タンデム構造太陽電池に対してもエネルギー性能を予測できるような理論的モデルを開発する。これによって、屋外での発電量を実際に測定する以前に、様々な屋外環境に設置した際に得られる発電電力量を推計する方法を開拓する。本研究では、理論・計算機シミュレーション・実験によるアプローチを融合し、新型タンデム構造太陽電池における発電電力量を定量的に算出する手法の開発を進めた。 本年度は、タンデム構造太陽電池における発電電力量についての理論的検討を進めた。入射する太陽光のスペクトルや入射角度に対する発電電力を理論的に推計するモデルを構築し、標準試験条件とは異なる条件におけるパワー性能を算出した。様々なシリコンベースタンデム構造太陽電池について発電電力の推計を実施した。設置環境・気候条件により時々刻々と変化する入射太陽光スペクトルや入射角度に関するデータベースを利用し、発電電力量を計算機シミュレーションにより推計した。また、3端子型タンデム構造太陽電池のエネルギー性能についての検討も行い、2端子型タンデム構造との発電性能の差異が顕在化す地域・日照条件を明らかにした。さらに、実験的検討のために、屋外計測用タンデム太陽電池デバイスの作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンデム構造太陽電池など新型太陽電池における発電電力量についての理論モデルの構築を進め、3端子型タンデム構造太陽電池のエネルギー性能についての比較検討から、地域の日照条件によるエネルギー性能の特性について多くの知見を得ることができた。また、屋外測定用の太陽電池を作成し、屋外発電電力量について実験的検討を行うため準備が整った。研究期間を通して多くの進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
タンデム太陽電池の屋外発電性能を計測する準備が整ったので、今後これを理論的モデルの結果と比較して、屋外発電性能・エネルギー性能評価モデルの構築を進める。これにより、標準試験条件と屋外条件における発電性能を接続するための知見の構築を目指して研究を展開していく。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた研究成果報告(国際会議)のための旅費の使用機会が少なくなり、次年度使用額が生じた。当該助成金は、次年度以降の研究成果発表に使用する。
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Research Products
(3 results)