2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development the coupled cluster theory for strongly correlated systems and applications for chemical reactions
Project/Area Number |
21K04978
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福田 良一 京都大学, 実験と理論計算科学のインタープレイによる触媒・電池の元素戦略研究拠点ユニット, 特定准教授 (40397592)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 計算化学 / 量子化学 / 化学反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学結合の組み換えの記述には、強い電子相関の記述が必須であり、多参照波動関数法やbroken symmetry法が用いられる。一方で単参照coupled-cluster(CC)法は動的電子相関の記述に優れているが、最近の研究で、CCSD法に関連したantisymmetric product of one reference orbital geminal (AP1roG)/pair coupled-cluster double (pCCD)と呼ばれる方法により、強い電子相関を定性的に記述できる可能性が示されている。本研究では、SAC-CIプログラムを基にAP1roG/pCCDの解析的エネルギー微分法を実装しGaussianプログラムの分子構造最適化手法と合わせて、分子の安定構造や遷移状態の構造最適化を行い、AP1roG/pCCDの現実の化学反応への適用可能性を調べた。 pCCDはCCDやCCSDより少ない自由度しか考慮していないが、結合解離などの強い電子相関を良く記述する。例えば、エチレン分子の2重結合回りの捻りについてのポテンシャルエネルギー曲線を見ると、CCSDでは、90°が尖点となるがpCCDはCASSCFと同様の滑らかな曲線を得た。 しかしながら、pCCDエネルギーは軌道のユニタリー変換に対して不変ではない。分子構造の最適化を行う場合、何らかの方法で軌道を決める必要がある。そこでMinimal orbital deformation (MOD)法を用いる事でスムーズなポテンシャルエネルギー面を得ることができた。AP1roG/pCCDとそれに関連した近似法の解析的エネルギー微分と分子構造最適化法を実装し、幾つかの化学反応系に応用した。実験値やその他の計算法と比較すると、AP1roG/pCCDとその関連手法は、定性的~半定量的に正しい結果を得た。
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Research Products
(4 results)