2023 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative prediction of reaction mechanisms catalyzed by metalloproteins and of protein-ligand interactions
Project/Area Number |
21K04985
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
齋藤 徹 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (80747494)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 金属酵素 / 半経験的量子化学計算 / 代謝部位予測 / 結合解離エネルギー / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、薬物代謝部位(SOM)およびC-H活性化反応の指標となるC-H結合解離エネルギー(BDE)を予測可能とする自動、高速、高精度の三拍子揃った手法開発に注力した。
cytochrome P450に対する代謝耐性の高い含窒素複素環化合物は、別の代謝酵素アルデヒドオキシダーゼによる求核攻撃を受けやすいという欠点を有する。コンピュータを用いたSOM予測法として、ChemDrawで計算した13C-NMR化学シフトに基づくSOM予測が有用とされている。しかし、代謝部位数に関する予備知識が必要であることと、化合物の描画と化学シフトの出力を手動で行う必要がある ことから、自動予測という課題は達成できていない。そこで本研究では、半経験的量子化学計算(SQM)と機械学習(ML)を組み合わせたSQM/MLを用いて化学シフトの代替となるスコアとSOM予測ワークフローを提案し、この問題を解決した。研究成果は学術論文誌Chemical Physics Letters誌に掲載され(オープンアクセス)、本研究課題に関する内容で国内会議において招待講演を1件行った。
BDEを高速かつ高精度に予測する方法として、DFTの計算データを再現するグラフニューラルネットワークモデルが既に提案されている。DFTによる計算データはバラツキが大きいことは以前から指摘されているため、本研究ではより高精度なCBS-QB3計算によるBDEのデータセットであるBSE49を参照値とするAI予測モデルを開発した。BSE49のデータ数は300程度に限られているため、構造情報に加えてSQMから算出された物性パラメータを記述子とするSQM/MLモデルを構築した。SQM/MLモデルによる予測はCBS-QB3の計算結果を数10万倍の1の速さで非常に良く再現することを示した。研究成果は学術論文誌Chemistry Letters誌に掲載された(オープンアクセス)。
|