2023 Fiscal Year Annual Research Report
超高速時間分解計測・高度計算科学による酵素内反応追跡に向けた化合物最適化技術開発
Project/Area Number |
21K04989
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
樋山 みやび 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90399311)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ケージドルシフェリン / 光開裂量子収率 / 光開裂断面積 / 光褪色量子収率 / 光褪色断面積 |
Outline of Annual Research Achievements |
光照射によりホタルルシフェリン(以下、ルシフェリンとする)を生成するケージドルシフェリンは、生体内in vivoイメージングへの応用が期待される。この光照射型ケージドルシフェリンに対して、光照射によるケージド基開裂過程の詳細を明らかにし、ケージド化合物の評価方法を確立するためには、高純度の結晶が必要である。2021年度は当研究室にて独独自に開発したケージドルシフェリンの合成方法の改良を試みた。その結果、これまでよりも多く(112mg)、さらに、純度の高い(約96%)化合物の合成に成功した。2022年度には、このDEACMケージドルシフェリンへの光照射実験を実施した。生成したD-ルシフェリンの分子数を定量することによりケージド化合物の定量的な評価方法を確立し、DEACMケージドルシフェリンの光開裂量子収率を決定した。検出用の光源としてこれまで紫外光を想定していたが、近年、X線時間分解分光法の開発が進んだことを鑑みると、X線の利用も検討すべきという考えに至った。軟X線を用いた吸収計測では、分子の結合状態を反映したスペクトルをえることができることが知られている。しかし、気相中の孤立分子や、比較的構成原子数の少ない有機分子とは異なり、実際に緩衝液中のケージドルシフェリンのように、環境中の有機分子のX線吸収スペクトルはかなり複雑になると予想される。そのため、開裂や脱プロトン化などの結合の違いに対して、異なるX線吸収スペクトルが得られるかどうかは自明ではない。そこで、2023年度は、まずルシフェリンの脱プロトン化に対するX線吸収スペクトルを測定し、量子化学計算によりスペクトルの帰属を行うことにより、脱プロトン化による構造の違いを反映したX線吸収スペクトルが得られることを示した。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 近赤外ホタル生物発光基質類似体AkaLumineの発光量子収率とモル吸光係数の測定2023
Author(s)
小野稜平, 大澤敬太, 高橋由太翔, 野口良史, 北田昇雄, 森屋亮平, 平野誉, 牧昌次郎, 柴田桂成, 秋山英文, 菅野研一郎, 板橋英之, 樋山みやび
Organizer
第17回分子科学討論会
-
-
-
-
-
-