2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of machine-learned electron correlation method considering nonlocal correlation and relativistic effect
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21K05002
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
五十幡 康弘 豊橋技術科学大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (10728166)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子化学計算 / 機械学習 / 電子相関 / 相対論効果 / 密度汎関数理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 機械学習型電子相関(ML-EC)モデルにおける適用領域の決定 ML-ECモデルは相関エネルギー密度の機械学習により電子相関エネルギーを高精度に再現する。Jagging法を用いて実空間グリッド点ごとに適用領域内に存在するか判定し,適用領域外のデータを学習データに追加することで,より汎化性能の高いモデルを構築できた。 2. 非経験的な局所領域分割混成汎関数の開発 局所領域分割混成汎関数は密度汎関数理論(DFT)における交換相関汎関数の一種であり,領域分割混成汎関数における領域分割パラメータが実空間座標に依存した式となる。スケーリング解析,厳密な交換汎関数の拘束条件に基づいて交換エネルギー密度の勾配展開から局所領域分割混成汎関数を非経験的に導出した。 3. 局所応答分散力法による分散力係数に関する検証 局所応答分散力(LRD)法は,電子密度から分散力補正エネルギーを計算する手法であり,DFTにおいて非局所電子相関を扱う方法の一つである。LRD法で得られる高次の分散力係数に対して密度勾配項の係数を最適化することで,貴ガス二量体のC8およびC10係数の平均絶対誤差を134.28%から3.94%に抑えることができた。 4. スピン反転密度汎関数理論に基づく円錐交差の支配因子の解明 円錐交差における分子構造は平衡構造と大きく異なり,平衡構造と比較して化学的解釈が困難である。スピン反転時間依存DFTに対して凍結軌道解析に基づくS0-S1エネルギー差の式を導出した。有機分子を対象としてエネルギー差の成分を評価した結果,S0/S1極小エネルギー円錐交差においてHOMO-LUMO間の交換積分が0に近くなる傾向と,HOMO-LUMOギャップの上限がCoulomb積分により定まることが見出された。
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