2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K05009
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
田島 裕之 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (60207032)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角屋 智史 甲南大学, 理工学部, 助教 (70759018)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 蓄積電荷測定法 / 電荷注入障壁 / ACM / 有機デバイス / フタロシアニン / ペンタセン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はH30-R3年度科研費「蓄積電荷測定法による有機/金属界面の電荷注入障壁測定」に関する継続課題であり、蓄積電荷測定法の開発を継続し、電荷注入が不完全になる現象の起源を明らかにするというものである。R5年度においては、R4年度に行ったフタロシアニンおよびペンタセンの電子注入障壁測定の実験結果を公表した。また蓄積電荷測定法によって明らかになった電荷注入障壁の大きな系での非熱平衡現象に関するポテンシャルダイアグラムの論文を公表した。この結果は、有機薄膜トランジスタで観測されるヒステレシス現象とも関係している。関連論文の投稿準備を現在行っている。 分子科学討論会(2023年9月12日~15日、大阪大学)、応用物理学会(2023年9月19日~23日、熊本)で研究発表を行うとともに電子情報通信学会(11月1日、姫路)で招待講演を行った。日中有機半導体シンポジウム(2023年12月7~9日、名古屋大学)で口頭発表を行った。研究代表者は所属機関(兵庫県立大学理学研究科)をR5年度で退職するため、居室及び実験室の整理を行い、共同研究者(角屋智史、甲南大学)の実験室で継続して実験ができるように装置の移設を行った。上記の結果と合わせて、whispering gallery mode 共鳴を用いた発光実験に関する論文発表を行った。蓄積電荷測定法の結果を解析するための解析プログラムを改良した。また、蓄積電荷測定法の実験結果を公表するためには時間依存性を考慮した解析プログラムを作成することが必要と考えたため、その作成に着手している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R5年度は研究代表者の退職に伴う研究室の整理等の業務が重なり、研究成果の一部を公表するにとどまり、研究を実質的に進展させることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
論文作成に必要な実験データはおおむねそろっている。問題はそれらを解析するための理論計算プログラムを作成することであり、今年度は研究成果発表と合わせてその点に力を注ぎたい。
|
Causes of Carryover |
次年度はドレスデン(ドイツ連邦共和国)において、関連分野の国際学会(ICSM)が開催される。この学会において研究発表するために大部分の予算を用いる。また予算残額は、国内旅費および共同研究者(角屋智史、甲南大学)の研究室において実験を行うためのセットアップに用いる。
|