2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanistic Insights into metal- and enzyme-catalyzed reactions using hybrid quantum chemical and information science approaches
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21K05016
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
森 聖治 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (50332549)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 触媒反応 / 密度汎関数法計算 / 非共有結合相互作用 / QM/MM法 / MDシミュレーション / 選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)キラルなオキソバナジウム触媒を用いたオレフィンのエナンチオ選択的1,2-トリフルオロメチル化反応のメカニズムを3種類検討したところ、ベンジルラジカルが酸素原子に直接攻撃する経路で進行することが示唆された。その後二種類の触媒モデルでそれぞれ遷移状態のコンフォメーション探索をおこなった。計算結果は実験結果と同じ傾向を示し、不斉配位子上の置換基が立体制御に非常に重要であることを明らかにし、学術誌論文に報告した。 (2)医学的にも重要な酵素である3α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3α-HSD)のダイナミクスと還元反応の検討を行った。我々は活性部位周辺における各残基の役割を詳述するために分子動力学(MD)シミュレーション及び量子力学と分子力学のハイブリッド(QM/MM)計算を行った。100 nsのMDシミュレーションにおいては、結果についてDBSCAN (Density-based Spatial Clustering of Applications with Noise)法でクラスタリングを行った。この方法の特徴は、クラスタの数をあらかじめ設定しなくてもよいというところにある。さらに、代表的なクラスターについて、ONIOM-ME(M06-2X/def-2SVP:Amber)計算により構造最適化を行った。タンパク質から3オングストローム以上離れた水分子は除去した。QM領域とMM領域の設定には3種類のモデルを用いた。QM/MM計算後の電子密度トポロジカル解析によって、還元剤である補因子NADPHの近傍にあるTyr216残基は、NADPHとTYr216ベンゼン環の間の非共有結合相互作用によって反応の進行を助け、生成物の安定化に寄与するという重要な役割を持つと示唆された。また、基質と相互作用している水分子を含め、適切なQM領域の設定が重要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究に関しては、(1)の課題で、ACS Catalysis, (2)の課題ではJournal of Physical Chemistry Bといずれもアメリカ化学会の学術雑誌に論文として報告することができた。とくに(1)の成果は、EurekAlert!にニュースリリースした。さらに、(2)の課題の還元酵素反応解析においては、MDシミュレーションにおいて、クラスタリングを含む情報科学的解析が重要であることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)バナジウム触媒の反応については、カップリングパートナーを変えた検討を行う。このとき、立体配座がさらに多くなることが予想されるので、スクリーニングのための情報科学的手法を取り入れたい。(2)については、プロスタグランジン合成酵素の反応経路の検討を予定している。
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Causes of Carryover |
予定されていたいくつかの国内学会出張がオンライン化されたことによりなくなったため。次年度では、研究成果発表経費(2022年7月カナダ・バンクーバーで開催される国際会議)に計上する。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] キラルなバナジウム触媒を用いた酸化的1,2-トリフルオロメチル化反応の理論的研究2022
Author(s)
藤井 稜馬, Bang-You Tsai, Tsung-Cheng Chen, Chien-I Lein, Yu-Chang Chang, Pin-Xuan Tseng, Chin-Wei Chuang, Rachit Agarwal, Chan-Wei Hsu, Chien-Tien Chen, 森 聖治
Organizer
日本化学会 第102春季年会 (2022)
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