2021 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis and properties of chiral topological molecules with remarkable circular polarlized luminescence
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21K05043
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長谷川 真士 北里大学, 理学部, 講師 (20438120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊與田 正彦 東京都立大学, 理学研究科, 客員教授 (50115995) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キラル化合物 / π共役系化合物 / ねじれ化合物 / 円二色性スペクトル / 円偏光発光スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
軸不斉や面不斉によって摂動を受けたπ共役ユニットはキラル光学特性を示す。本研究ではこうした不斉によって分子内にねじれを誘起した環状π共役系キラル分子を新たに合成し、その構造とキラル光学特性の相関について調査した。特に円偏光発光(CPL)特性について着目した。CPLは発光に際し、左右円偏光の強度に差が出る現象で、偏光やスピンが関与する光学材料につながるが、その詳細については未解明なままである。 これを解明するため、本年度は面不斉である[2.2]パラシクロファン(PC)によって拡張された環状オリゴフェニレン分子について合成し調査を行った。擬オルト2置換[2.2]PCおよびビフェニルから構成されるユニットで作る環状二量体および環状三量体を合成した。環状二量体は2本のクォーターフェニレンが互いにねじれる二重らせん構造を形成することがわかった。また環状三量体は構成するクォーターフェニレンがねじれながら三角形状の構造を形成していた。これらの化合物はよく光るオリゴフェニレンが剛直な構造に組み込まれているため、どちらも高い量子収率(0.70-0.83)した。また、円二色性スペクトルではπ-π*遷移に起因する強いコットン効果が観測された。円偏光発光スペクトルを測定すると、蛍光スペクトルに一致した波長領域でコットン効果が観測され、中程度のg値(どちらも0.0016)(g値:円偏光発光における非対称性因子)を示した。それぞれを掛け合わせたCPL輝度、Bcpl は二量体で21、三量体で44と比較的高い値を示すに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で対称性に基づく分子設計が高い量子収率を示し、かつ比較的高いg値を保つことが明らかとなった。g値については改善の余地があるものの、これまでの結果を踏まえると、分子設計の改善により到達可能な目標であることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに合成したキラル発光分子は極めて高いg値をとることが予測されたが、傑出した円偏光特性の実現には改善の余地がある。励起状態は対称性が低下するため、現在の分子設計に加えて、より剛直で対称性を向上させた分子を設計し調査する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、ほとんどの学会や研究会がオンライン開催となったため、旅費として計上していた分、次年度使用額が生じた。次年度の旅費に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)