2023 Fiscal Year Annual Research Report
フロキサン環の新規修飾法開発に基づく普遍的官能基の多様的変換
Project/Area Number |
21K05054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松原 亮介 神戸大学, 理学研究科, 教授 (90401223)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フロキサン / 炭素水素結合活性化 / ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
①水素原子引き抜き反応によるフロキサン環上でのC-C結合形成反応の開発 スルホニルフロキサンが炭素ラジカルと反応するというこれまでに得た知見を基にして、普遍的に存在するC-H結合から炭素ラジカルを発生させスルホニルフロキサンと反応させた。酸素ラジカルまたは窒素ラジカルは水素原子引き抜き能を持つことが知られており、本研究ではその知見を利用した。酸素ラジカルは過酸化物から熱的に発生させた。結合解離エネルギー(BDE)の小さいC-H結合が選択的に切断されるため、ベンジル位やヘテロ原子のα位に高い選択性でフロキサンを導入できることが分かった。 ②ハロゲノフロキサンを基質とするラジカル連鎖反応の開発 スルホニルフロキサンの代わりに、ハロゲン(臭素または塩素)を置換基として有するハロゲノフロキサンをラジカルアクセプターとして用いる反応を検討した。ハロゲン化水素のBDEはC-H結合に匹敵するためハロゲンラジカルは水素引き抜き能を有する。この知見から、フロキサンへの付加反応の後に脱離基として生成するハロゲンラジカルが次の基質のC-H結合を切断できると想定した。そのため触媒量のラジカル開始剤で反応が進行するラジカル連鎖反応を進行させる検討を行い、部分的に達成することができた。 ③生成物フロキサンの官能基変換 上記の検討で得られたフロキサン化合物に対して、変換反応を施し、種々の官能基を生成させた。この変換により、普遍的官能基を二段階で別の官能基へと変換する手法を確立することができた。
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