2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Synthetic Methods for Hetero-fused pi-Conjugated Compounds Based on Trans-Addition to Alkynes
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21K05061
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松田 学則 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 教授 (80359778)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロジウム / 触媒 / 官能基化 / アルコキシカルボニル化 / アシル化 / インドール / インドリン / 二炭酸エステル |
Outline of Annual Research Achievements |
すでに開発した、2-[(2-アジドフェニル)エチニル]フェノールの環化反応に類似した、1,6-ジインと1-アジド-2-エチニルベンゼンの[2+2+2]環化付加反応を行ったところ、目的とする環化付加は進行せず、1-アジド-2-エチニルベンゼン同士の[3+2]環化付加が進行してしまい、トリアゾールが得られた。また、ヒドロキサム酸とアルキンの金触媒分子間反応を検討したところ、目的とする環化反応が進行し、オキサゾールの生成が確認されたが、選択性・収率の向上が困難であった。そこで、2021年度は含ヘテロ縮環π共役化合物のC-H官能基化についても検討を行ったところ、ある程度の成果を得ることができた。 (1) 1-(2-ピリミジル)インドールと二炭酸ジエチルを、ロジウム(I)触媒存在下、1,4-ジオキサン中、100 °Cで加熱したところ、2位選択的なエトキシカルボニル化が進行した。2-アリールピリジンを用いても、同様にエトキシカルボニル化生成物が得られた。 (2) 1-(2-ピリミジル)インドリンと二炭酸ジエチルを、ロジウム(I)触媒存在下、アセトニトリル中、100 °Cで加熱したところ、7位選択的なエトキシカルボニル化が進行した。また、酸無水物を用いた場合には、7位選択的なアシル化が進行した。 (3) 1-(2-ピリミジル)インドリンと脂肪族カルボン酸を、ロジウム(I)触媒および2.5当量のピバル酸無水物存在下、1,2-ジクロロエタン中、130 °Cで加熱したところ、7位選択的なアルキル化が進行した。芳香族カルボン酸を用いた場合には、7位選択的なアリール化が進行した。また本反応は、種々の酸無水物を直接、アルキル化剤、アリール化剤として用いることもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、アルキンへの付加を用いる環化反応について、種々試みた。イリジウム触媒による1,2-ビス[2-(ジメチルシリル)フェニルフェニル]アセチレンの環化反応については、種々検討したものの、生成物である二ケイ素置換ジベンゾペンタレンの収率向上には至らなかった。しかし、含ヘテロ縮環π共役化合物のC-H官能基化について、一定の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、含ヘテロ縮環π共役化合物の官能基化に重点を置き、これにアルキンへの付加を組み合わせることで、できる限り研究課題に沿った方向に進んでいきたいと考えている。
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