2023 Fiscal Year Annual Research Report
Catalytic arene difunctionalizations through benzyl-Pd chemistry
Project/Area Number |
21K05079
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武藤 慶 早稲田大学, 高等研究所, 准教授(任期付) (60778166)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脱芳香族化 / パラジウム / 多成分連結 / 多官能基化 / 天然物合成 / 脂環式化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
入手容易なハロアレーン類の二官能基化反応の開発と応用に取り組んだ。我々がこれまでに見いだしたベンジルパラジウム中間体の発生を鍵とする、ハロアレーン、ジアゾ化合物、そして炭素もしくは窒素求核剤との触媒的三成分連結反応が本研究の基盤である。これまでこの分子間三成分連結型の官能基化法の開発に注力してきたが、本期間ではハロアレーンに炭素求核部位を付与し、二成分反応とすることで二環式分子合成ができることを見いだした。ハロアレーン上の1,4-二官能基化を伴う環化反応であり、前例のない反応形式である。インダンやテトラリン以外にも、6-6-6の三環式分子も効率的に合成できた。本成果は論文として報告した。 前年度から継続して、炭素官能基をもつハロゲン化アリールとジアゾ化合物、炭素求核剤をパラジウム触媒条件下反応させる、三成分連結型の多環性骨格構築法の研究もすすめた。今年度は反応機構解明と、本反応を用いた天然物合成に焦点を当てた。反応機構解明で苦戦しているが、想定以上の進展が見られている。小さな天然物ではあるが、開発した多環式化合物合成法を用いて全合成も完了した。収率を向上し次第、論文として報告する。 上記に関連する、これまでに開発した脱芳香族的手法を鍵反応として前年度に合成に成功した、3つのcephalotaxusアルカロイドの全合成を練磨した。その結果、各工程の収率向上と、合成の短工程化ができ、8-9工程で全合成できた。本成果は論文として報告した。
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Research Products
(16 results)