2021 Fiscal Year Research-status Report
Preparation and Reactivity of Coordinatively Unsaturated Parent Cyclopentadienyl Ligandolynuclear Ruthenium Complexes bearing Pare
Project/Area Number |
21K05088
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松坂 裕之 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50221586)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ルテニウム / 2核錯体 / ペアレントシクロペンタジエニル配位子 / 銅 / アミド / イミド / カーバイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究者が独自に見出した、ペアレントCpRuクロリド錯体等価体であるイオン対型錯体 [CpRu(eta6-C10H8)][CpRu(mu-Cl3)RuCp]([1][2])を出発物質として活用し、新たな多核金属反応場としてのペアレントCp配位子を有する新規配位不飽和多核ルテニウム錯体の合成、構造決定および反応性の解明にとりくんだ。その結果、配位不飽和2核錯体であるビスアミド錯体[CpRu(mu-NHBut)]2 (3)が得られること、(3)はイミドメチレン錯体CpRu(mu-CH2)(mu-NHBut)CpRu (4)へと誘導することができること、さらに(4)はイミドメチリジン錯体[CpRu(mu-CH)(mu-NHBut)CpRu]BF4 (5)へと変換できることを見出した。これらの新規2核ルテニウム錯体について、各種スペクトル及びX線解析により構造の詳細を明らかにした。また、これら2核サイトへの新たな金属中心を導入することで、より高次の多核金属骨格の構築をめざして検討を進めたところ、(5)と[Et4N][CuI2]との反応により、(5)にCuI2フラグメントがとりこまれたRu2Cu異種金属3核クラスター (CpRu(mu-NBut)RuCp)(mu3-CH)CuI2 (6)が得られることを見出した。さらに、(6)をKN(SiMe3))2で処理すると、3核カーバイド錯体(CpRu(mu-NBut)RuCp)(mu3-C)Cu{N(SiMe3)2} (7)を与えることも判明した。(6)、(7)はいずれもX線解析により構造の詳細を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ペアレントCp配位子を有する一連の配位不飽和ルテニウム2核錯体およびその2核サイト上に第3の金属中心として銅をとりこんだRu2Cu異種金属3核錯体を新規に合成し、各種スペクトルとX線解析によりそれらの構造の詳細を明らかにすることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に得られた知見を基に、ペアレントCp配位子を有する一連の配位不飽和ルテニウム2核錯体に銅以外の異種金属中心を導入した新規な多核錯体を合成し、それらの構造を明らかにする。さらに、これらの多核錯体を新たな多核金属反応場として、基質分子のとりこみ、クラスター上での基質と多核サイトとの結合状態の解明及び反応性の検討にとりくむ。
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Causes of Carryover |
年度内購入を計画していた一部の試薬類及び貴金属塩の年度内納入が困難となったために、次年度使用額が生じた。2022年度に速やかに使用する計画である。
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Research Products
(15 results)
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[Book] Organometallic Chemistry2021
Author(s)
Kawano, Y.; Koe, J.; Matsuzaka, H.; Mizuta, T.; Nakazawa, H.; Okazaki, M.; Osakada, K.; Ueno, K.
Total Pages
283
Publisher
Royal Chemical Society
ISBN
978-1-83916-406-4