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2021 Fiscal Year Research-status Report

Advanced method for cellular response analyses against drugs by simultaneous measurement of QCM and microscopy using the response model equations, and its applications

Research Project

Project/Area Number 21K05118
Research InstitutionTokyo University of Technology

Principal Investigator

村松 宏  東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (20373045)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
KeywordsQCM / 細胞応答 / 抗がん剤 / 顕微鏡写真 / シスプラチン / マイトマイシンC
Outline of Annual Research Achievements

抗がん剤のシスプラチンとマイトマイシンCについて、HepG2細胞での細胞応答の違いを水晶振動子センサーによる測定から検討を行った。同時撮影した顕微鏡写真との比較から、シスプラチンに対する応答では、細胞接着の退縮と細胞の収縮の2段階の応答が、それぞれ対数正規分布関数でよく近似できる応答を示したが、低濃度のマイトマイシンCに対しては、抗がん剤添加から一定時間が経過してから対数正規分布関数でよく近似できる細胞接着の退縮の応答が見られることが明らかとなった。さらに、10 μM程度以上のマイトマイシンCにおいては、試薬添加から遅延なく細胞接着の退縮の応答が見られ、この応答は一次遅れ応答でよく近似できることが明らかになった。このように、マイトマイシンCでは、濃度によって細胞の応答が異なることが、明らかになった。
Hela細胞とPC-3細胞における細胞応答では、Hela細胞の場合は、接着細胞であることもあり、細胞接着に対する応答およびシスプラチンに対する応答についても、HepG2細胞に類似した応答が得られた。これに対して、PC-3細胞は遊走細胞であることから、接着における応答が小さく、薬物応答も明確ではない結果となった。遊走細胞については、細胞接着を強化するような対策が必要であることが判明した。
HepG2細胞でデメコルシンにより細胞分裂を一定期間阻害した後、細胞分裂を再開させてからシスプラチンを添加して、細胞周期による影響を調べたところ、再開後24時間では、一次遅れ応答で近似できる応答曲線が得られ、48時間、72時間後では、対数正規分布で近似できる応答曲線となった。細胞周期によって、応答が変化する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年度は、水晶振動子センサーの測定値と顕微鏡写真を同時に連続的に取得できる自作の4chの測定装置2台、8chの測定装置1台の体制で実験をスタートさせたが、4ch装置の経時劣化による改修、8ch装置の撮影機能の改善と増設に一定期間を要したが、最終的に、4chの測定装置2台、8chの測定装置2台で実験が進められるようにすることができた。
抗がん剤の種類による応答性の違いについては、シスプラチンとマイトマイシンCの違いについて実験を行い、マイトマイシンCにおいて濃度によって異なるパターンの応答を示すことを明らかにした。
細胞の種類による応答の違いについては、HepG2細胞、Hela細胞、PC-3細胞について実験を行い、接着細胞であるHepG2細胞、Hela細胞については、類似した応答が得られた。一方、遊走細胞であるPC-3細胞については、得られた応答が小さく、現状では、応答の解析が困難であることを確認した。
HepG2細胞でデメコルシンにより細胞分裂を一定期間阻害することで、シスプラチンに対する細胞周期による影響を調べる実験を行い、経過時間による応答パターンの違いが観測され、細胞周期によって、応答が変化する可能性が示唆された。
マイトマイシンCに対する応答パターンの濃度依存性が明らかになった点は、予想以上の成果であり、全体的に、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

HepG2細胞については、シスプラチンの濃度依存性、5-フルオロウラシル、ドセタキセルなどの抗がん剤の種類を増やして,抗がん剤に対する応答の違いを調べる。Hela細胞については、シスプラチン、マイトマイシンCに対する応答を調べ、HepG2細胞との比較を行う。さらに、新たに、WI-38細胞などの老化細胞について抗がん剤の応答を調べることも予定している。
これらの結果について、細胞種や抗がん剤ごとに、細胞応答の対数正規分布における平均応答時間、一次遅れ応答の時定数などの応答パラメーターをより詳しく調べ比較・解析を行う。抗がん剤の細胞への作用と関連させて考察を行う。これによって、細胞応答解析技術として利用できることを明らかにする予定である。

Causes of Carryover

期末での謝金の支出が予算額を超えないようにするため、多少支出を控えたため、当該助成金が生じた。当該助成金は翌年度分の助成金の3%に満たないため、研究計画に沿って、翌年度分の助成金と合わせて、細胞培養・計測実験と測定装置の改良のための消耗品費、学会発表や論文発表のための経費、実験を効率的に進めるための実験補佐員への謝金に使用することを計画している。

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Published: 2022-12-28  

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