2023 Fiscal Year Annual Research Report
Fluorescence detection of hydrogen-bonding strength using ESIPT-type fluorescent probe
Project/Area Number |
21K05121
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Research Institution | Comprehensive Research Organization for Science and Society |
Principal Investigator |
阿久津 和宏 一般財団法人総合科学研究機構, 中性子科学センター, 副主任技師 (60637297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 聖治 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (50332549)
元川 竜平 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (50414579) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水素結合 / 蛍光プローブ / HBI / 中性子反射率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、化学的相互作用の一つである‘水素結合力’を定量的に分析するための新手法の開発を目的としており、我々は蛍光分子2-(2’-hydroxyphenyl)benzimidazole(HBI)を用いた簡易かつ高精度な蛍光分析法による水素結合力解析法の構築を目指している。令和5年度は、(1)蛍光-中性子反射率同時測定装置を用いた実試料による水素結合力/ナノ構造同時分析実験と(2)量子科学計算によるHBI発光メカニズム解明を実施しており、それらの結果について具体的な内容を以下に示す。 (1)蛍光-中性子反射率同時測定装置を用いた実試料による水素結合力/ナノ構造同時分析実験:石英基板上にHBIを導入したセルロース薄膜を製膜し、蛍光スペクトル・中性子反射率のデータを同時に測定した。同時測定のデータから、セルロース薄膜は乾燥状態から湿潤状態に変化する過程で、水和数が0~4まで変化することを明らかにした。更に、水和数の変化と同時に膜内の水素結合力が1.3倍程度まで増加することも確認された。 (2)量子科学計算によるHBI発光メカニズム解明:HBIの発光プロセスに関与する化学種の最適化構造を検証し、TD-DFT法により、HBIの水素結合部位(ベンゼン環とイミダゾール環)の結合角度が溶媒和によって変化することを突き止めた。 上記のように、装置の開発及び水素結合力/ナノ構造の同時分析実験を実施し、同時分析の基礎的な方法・技術論を完成させた。これらの成果は国際会議等で報告するとともに、得られた成果は現在論文として執筆中であり、できるだけ早く論文発表ができるように、研究成果を取りまとめている。
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Research Products
(3 results)