2022 Fiscal Year Research-status Report
液液光導波路分光法とそのCFD解析による、混じり合う液液界面での化学反応解析
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21K05126
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
角田 欣一 神戸大学, 海事科学研究科, 客員教授 (30175468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 弘樹 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80397603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 液液光導波路 / 液液界面 / 数値流体力学計算 / 電子移動反応 / 錯形成反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下の2つの研究課題に取り組む。すなわち、I) LLWでの電子移動反応の観察、II) CFDシミュレーションを用いたLLWでの化学反応の解析、である。本年度は、主として(II)について研究を行った。すなわち、これまでは実験結果とシミュレーション結果を比較する方法として、厳密な比較が必要なときは、LLWで得られた蛍光イメージから蛍光強度をデジタル化し、さらにそれにアーベル変換を施すなどにより行ってきた。しかし、アーベル変換では、中心部では実験結果とよい一致を与えるものの、周辺部に関しては誤差が大きかった。そこで、シミュレーションでは、中心から一次元方向の反応生成分子の濃度分布、さらに蛍光強度分布、が結果として得られるが、それを二次元に展開し、さらに光軸方向に積分することにより、蛍光イメージそのものをシミュレーションする方法を開発した。そして、その方法を、Al3+とルモガリオンの反応観察に応用した。各反応化学種の拡散係数は前年度求めた値を用いた。また、導波光強度分布に、まずLLWの屈折率分布に関するシミュレーション結果を用いたところ、実際の強度分布と異なり、蛍光強度分布に関する実験結果とシミュレーション結果の一致は得られなかった。そこで、実験で導波光強度分布を測定し、その値をシミュレーションに用いた。その結果、Al3+ -ルモガリオン錯体の蛍光強度分布に関する実験結果とシミュレーション結果はよい一致を示し、本法がLLWにおける反応解析に有用であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主にコロナ禍により、本年度も研究遂行にやや制限を受け、研究の遅れを生じた。しかし、徐々に次年度以降、徐々に解消していくものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(I)に関しては、本年度は検討を行えなかったが、前年度の結果を基に、より詳しくDPPHとAsAの反応をLLWにより観察する予定である。一方、(II)に関しては、、前年度、および今年度の成果をもとに、さらにLLWにおけるAl3+-ルミガリオン錯体反応の様々な条件でのCFDシミュレーションおよび実験を行い、相互に比較していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響が残り、予定した学会出張や研究打ち合わせを行わなかったことが、主な原因と考えられる。来年度以降、繰り越した金額は研究遂行上必要な消耗品の購入、さらに旅費などに充当していく予定である。
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Research Products
(7 results)