2023 Fiscal Year Annual Research Report
Confocal X-ray analysis of the reaction process of ammonia production under normal temperature and pressure
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21K05132
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
江場 宏美 東京都市大学, 理工学部, 教授 (90354175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 政志 東京都市大学, 理工学部, 教授 (90328930)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | X線分析 / 結晶構造 / アンモニア / 化学反応過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1)複数の物質が複合したり内部に組成分布があるような試料について、その構成や分布を分析することのできる共焦点型光学配置のX線分析装置を開発し、化学反応の観察・解析に用いる、(2)窒化鉄と炭酸水との反応による常温常圧アンモニア生成反応の反応過程について、(1)の装置を用いながら観察し、結晶構造や酸化数の変化、分布等の観察により理解を進めアンモニア生成効率を向上させるための知見を得る、という目的で進めていた。 まず(1)については共焦点型X線回折装置の構成を設計し、ポリキャピラリレンズによる集光条件を決め、2θ走査のための回転軸と、入射側および検出側の共焦点を一致させるための光学系調整を進めた。しかし半導体検出器が故障してしまったため完全に光学調整を行うことができなかった。このため調整治具の設計や、制御システムの構築にとどまり共焦点型装置による試料の分析にまでは至らなかった。代わりに共焦点光学系ではない、蛍光X線スペクトル測定や透過X線測定の試みを進めて基礎的データを得ることができた。 (2)については、物質収支を確認し、化学量論性の評価により反応過程や副反応の確認を進めてきた。反応容器を改良することで、内圧の変化を正しく見積もることができるようになった結果、生成したアンモニアNH3の量と原料との物質収支が化学反応式に近づき、概ね単純な酸化還元および侵入型化合物である窒化鉄との反応として説明できることを確認した。(1)の装置での測定が実行できなかったため、従来のX線回折装置などで分析した結果、窒化鉄の格子定数に変化が認められNH3生成のメカニズムの解明に近づいた。また窒化鉄に前処理を行うことで反応速度が変化したり、温度を変えることでNH3/H2比が変化することを確認し、反応速度やNH3/H2比を向上できる条件を見出した。
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