2023 Fiscal Year Annual Research Report
Heプラズマを用いる水素燃料ガス中ホルムアルデヒドの高感度分析システムの開発
Project/Area Number |
21K05134
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
千葉 光一 関西学院大学, 生命環境学部, 研究員 (20281066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡林 識起 関西学院大学, 生命環境学部, 講師 (40737227)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水素燃料 / 不純物分析 / プラズマ分光分析 / Heプラズマ / 微量元素分析 / イオウ / ホルムアルデヒド |
Outline of Annual Research Achievements |
ガソリン自動車を利用する際に排出される二酸化炭素は地球温暖化の大きな要因となっている。そのため,使用時に二酸化炭素を排出しない燃料の利用が開発されているが,中でも多種多様な製造方法がある水素エネルギーが大きな注目を集めている。水素エネルギーは製造方法により不純物が混入する場合があることが知られているが,ホルムアルデヒドは触媒毒となるため,燃料電池自動車用の水素ガスの品質規格は厳しく制定されている(0.01 ppm)。本研究では,水素ガス中に含まれるホルムアルデヒドの高感度定量分析を行うために,発光分光分析装置の開発を行った。 発光分光分析用励起源として,高い繰り返し放電が可能な誘電体バリア放電プラズマが有効であり,特に放電管の内径を細くするほど高い分析感度が得られた。そこで,内径0.3 mmのキャピラリー管を適用して最適化を図ったが,耐熱性が低く,放電による熱のために容易に溶断してしまうことが明らかとなった。そのため,外部から空冷することにより溶断を防ぎ,安定的な測定を可能した。ホルムアルデヒドガスを導入して炭素の励起波長(909.27 nm)を測定したところ,高い直線性を持つ検量線が得られた(r2 = 0.997)。また,検出限界は1.82 μLであり,これは,0.32 Lの水素ガスを導入することにより品質規格への適合性を確認できることを示している。また,ホルムアルデヒドと同様に触媒毒となるイオウとの同時分析を検討したところ,C(I) 909.27 nm,S(I) 921.28 nmの波長で測定することで2種の不純物の同時分析が可能であることが明らかとなった。
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