2021 Fiscal Year Research-status Report
分子状酸素による高選択的分子変換のためのソフトルイス酸性担持金触媒の開発
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21K05143
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
竹歳 絢子 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 非常勤教員 (50533056)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 触媒 / 金クラスター / 金ナノ粒子 / 酸素酸化 / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では高難度反応のひとつである芳香族炭化水素の直接官能基化が可能となる新しい金触媒の開発を目的としている。金のクラスター化や担体との強い相互作用(SMSI)を形成することで、金表面のδ+サイトが増えることから、これまでのナノ粒子にはない触媒特性の発現をねらう。担持金クラスター触媒調製の手法として、マイクロ波照射を用いる検討を行った。マイクロ波吸収効率の高い酸化マンガンを担体として用い、乾燥とともに還元処理までマイクロ波照射により行うことを試みた。マイクロ波照射時の最高到達温度に応じて、Au(0)に還元される割合が高くなったが、金の粒子サイズも大きくなる傾向が見られた。 担体にハイドロキシアパタイト(HAP)を選ぶと、他の還元性酸化物担持触媒と異なり、酸素雰囲気下で担体による被覆、水素雰囲気下で担体層の後退が可逆的に起こる。この酸素雰囲気下で生じるSMSIにより、金表面のδ+性が増大することが報告されている。今回HAPのアニオンやカチオンを置換したHAPでも、酸素雰囲気下でSMSIが生じ、δ+性が増大することが確認できた。その触媒活性の評価は、モデル反応として反応性の低い長鎖脂肪族アルデヒドであるオクタナールとエタノールとのエステル化を検討した。いずれも目的のオクタン酸エチルが主生成物として得られた。置換イオンにかかわらず、酸素雰囲気下で熱処理しSMSIが生じた触媒の方が高い活性を示した。さらに金粒子径とともにSMSIの厚さが、触媒活性に大きく影響することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的通り、イオンを置換したHAPを担体とすることで、金と担体との強い相互作用(SMSI)が形成され、金表面のδ+サイトの増えた触媒を調製できた。また、得られた金触媒は、香料となる脂肪族エチルエステルの合成に適用できた。しかし、金のクラスター化については、マイクロ波吸収効率の高い酸化マンガンでは未だクラスターサイズに制御出来ていない。マイクロ波吸収効率の高い金属酸化物にも適用可能な手法とするため、乾燥とともに還元処理までマイクロ波照射により行うことを試みたが、さらなる条件検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
イオンを置換したHAPを担体とすることで、金と担体との強い相互作用(SMSI)が形成され、金表面のδ+サイトの増えた触媒を調製できた。一方、金のクラスター化による金表面のδ+サイトが増大した触媒調製の試みについては、乾燥とともに還元処理までマイクロ波照射により行う条件検討を引き続き行う。得られた触媒は、ベンゼンからフェノールやアニリンへの直接官能基化の高難度反応への挑戦に向け、ベンゼンよりも反応性の高いトルエンを基質とするアンモ酸化などに適用する。マイクロ波照射の有無による反応性や選択性の違いを評価し、触媒の最適化を図る。
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Research Products
(5 results)