2021 Fiscal Year Research-status Report
Biodegradability study of phosphorylated poly(ethelene-co-vinyl alcohol)
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21K05149
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
沖原 巧 岡山大学, 自然科学学域, 講師 (70243491)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エチレン‐ビニルアルコール共重合体 / 生分解性高分子 / リン酸 / マイクロ波加熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
エチレン‐ビニルアルコール共重合体について、リン酸化反応技術の確立を行った。アミンを触媒とし、ポリリン酸をリン酸化剤としてマイクロ波加熱を利用してリン酸化を行った。この時、仕込み比を変えることによって、リン酸基置換度の異なるエチレン‐ビニルアルコール共重合体リン酸化物を合成できた。また、マイクロ波加熱を利用することにより、反応中における原料であるエチレンビニアルコール共重合体の酸化劣化を抑制することができることを、吸光度測定等を利用して見出した。得られたエチレン‐ビニルアルコール共重合体リン酸化物について、エチレン残基、ビニルアルコール残基、ビニルアルコールリン酸エステル残基の比率に対する水溶性について検討した。その結果、エチレン残基が高くても、リン酸基の電荷によって水溶性となることが明らかとなった。また、この共重合体リン酸化物に、リン酸化物が難溶性塩となるような金属イオンを添加することにより、分子鎖中のリン酸基の電荷が中和されることから、リン酸基同士の反発が失われ、水溶性を失うことがわかった。これを利用することによりエチレン‐ビニルアルコール共重合体リン酸化物の水溶性を制御可能であることが分かった。生分解性については、このエチレン‐ビニルアルコール共重合体リン酸化物の溶液について、ポリビニルアルコール分解菌を播種して、培養することにより、溶液の粘性が低下することが分かった。生分解性を示さないポリアクリル酸や培養液単独の場合、菌の培養が進行しても、粘性は低下しないことがわかった。これらのことから、エチレン‐ビニルアルコール共重合体リン酸化物溶液での粘性の低下は、エチレン‐ビニルアルコール共重合体の分子鎖の切断による分子量低下が主要な原因であると考えられることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で述べた通り、エチレンービニルアルコール共重合体の合成プロセスを確立し、様々な組成のサンプルの合成を実施している。水溶性の制御にも成功しており、非水溶性では示さない生分解性も溶液なら示すことも検証したため、生分解性材料として利用可能であることが明らかとなった。これまで、エチレン‐ビニルアルコール共重合体は生分解性を示したものはなく、非生分解性高分子に分類されている。これの生分解性を明らかにしたことは大きな進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
生分解性の検証および、非水溶性状態から水溶性状態への転換条件の検討を進める。また、ポリビニルアルコール分解菌による、共重合体の分子鎖断裂による分子量低下や、共重合体の代謝を、溶液中の全有機炭素測定や溶存酸素を通して、検証する。これにより生分解性の検証を行い、この生分解性を利用した機能材料の開発を進める。
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Causes of Carryover |
当初、生分解反応の確認のために、溶存酸素測定を先に検証することを計画していたが、先行して、溶液中の全有機炭素測定を実施して、その検証過程で、洋三酸素との相関関係をとることを考えた。そのため、手法の再検討を含めて検討することとしたので、溶存酸素計について、購入時期をずらすために、次年度使用とした。
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Research Products
(2 results)