2021 Fiscal Year Research-status Report
Lignin Nanoparticles Stabilized Pickering Emulsion as a new platform for sustainable functional materials
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21K05156
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
吾郷 万里子 明星大学, 理工学部, 准教授 (90389172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 道久 明星大学, 理工学部, 教授 (00176645)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リグニン / ナノ粒子 / エアロゾルフロー / 真球状粒子 / ピッカリングエマルション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,リグニンナノ粒子を用いたピッカリングエマルションを用いた新しい機能性エマルションの材料設計法と応用化技術開発を行うことにある。研究計画の初年度は,自己集合組織化によって得られたリグニンナノ粒子の表面活性とコロイド特性を明らかにするとともに,リグニンナノ粒子の粒径,粒度分布,粒子濃度,電解質強度等によるコロイド特性への影響を明らかにすることを目的とした。実施した結果の概要を以下に示す。初めに,リグニンナノ粒子添加系での表面張力の変化を明らかにした。次に表面電荷が負であることを利用し,ゼータ電位の濃度依存性,またカチオン性物質の吸着による表面親・疎水性の制御が可能であることを実験的に示した。一方,リグニンナノ粒子は水/油界面に吸着し,ピッカリングエマルションを長期間に渡り安定化することを見出し,安定性に対する粒子濃度依存性が実験的に検証された。さらに塩濃度に対するピッカリングエマルションの安定性を,NaCl水溶液を用いて評価した。本系のエマルションは,塩濃度に対しては敏感に反応し,リグニン粒子濃度に関わらず不安定化が起こることがわかった。さらに,次年度の課題であった用途開発事例のための予備実験を前倒しでスタートした。継続的に実験を進めていく予定である。一方,予算計上していた表面張力計を予定通り導入できたことによって,様々な条件での表面張力が測定可能な状況となり,体系的データの取得,整理が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の進捗状況は,おおむね順調に進展している。初年度の目的である,自己集合組織化によって得られたリグニンナノ粒子の表面活性とコロイド特性を明らかにするとともに,リグニンナノ粒子の粒径,粒度分布,粒子濃度,電解質強度等によるコロイド特性への影響を明らかにしつつある。初めに,リグニンナノ粒子添加系での表面張力の変化を明らかにした。次に表面電荷が負であることを利用し,ゼータ電位の濃度依存性,またカチオン性物質の吸着による表面親・疎水性の制御が可能であることを実験的に示した。一方,リグニンナノ粒子は水/油界面に吸着し,ピッカリングエマルションを長期間に渡り安定化することを見出し,安定性に対する粒子濃度依存性が実験的に検証された。さらに塩濃度に対するピッカリングエマルションの安定性を,NaCl水溶液を用いて評価した。本系のエマルションは,塩濃度に対しては敏感に反応し,リグニン粒子濃度に関わらず不安定化が起こることがわかった。一方,予算計上していた表面張力計が導入できたことによって,様々な条件での表面張力が測定でき,体系的データの取得,整理が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,当初の計画通り前年度の結果をより確実に検証するため,再現実験に着手するとともに,さらに,pH の影響,粒子表面修飾,ピッカリングエマルション系の油滴安定性を評価し,コロイド粒子の表面活性能によって得られるo/wエマルション安定化機構を明らかにしていく。さらに塩濃度について,研究分担者によるICP分光分析法を用いた定量的評価を行う。一方,最終年度へ向けた予備実験として,応用事例の実証実験を開始していきたい。また,学会発表,誌上発表の草稿を同時に進めていく。
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