2023 Fiscal Year Annual Research Report
Lignin Nanoparticles Stabilized Pickering Emulsion as a new platform for sustainable functional materials
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21K05156
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吾郷 万里子 東京農工大学, 農学部, 寄付講座教員 (90389172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 道久 明星大学, 理工学部, 教授 (00176645)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リグニン / ナノ粒子 / エアロゾルフロー / 真球状粒子 / ピッカリングエマルション / 接着 |
Outline of Annual Research Achievements |
リグニンは木質系バイオマス由来材料として地球上最も大量に存在する芳香族性ポリマーであり,残された生分解性ポリマー材料として最有力候補であるにも関わらず,材料としてはほとんど利用されていない。これはリグニンが製紙工程の副産物として単離される際に,分子構造や分子量が変化してしまうため,物性が安定しないことに理由がある。その上,樹種によっても分子構造が少しずつ異なるため,リグニンは潜在的に混合物である。リグニンの精製は極めて困難であり,労力も掛かかるため実効的ではない。このため原料の均一性が重要視される石化系ポリマー代替等の素材への応用には制約がある。したがって,リグニンの材料利用を拡大するためには,潜在的な分子レベルでのばらつきを回避または抑制するための革新的な機能化技術の開発が不可欠である。 本研究の目的は,真球状リグニン微粒子を用いたピッカリングエマルションの開発ならびに新規材料設計法の開発である。初めに,クラフトリグニン,リグニンスルホン酸を用いて,エアロゾルフロー法によって,真球状のリグニンナノ~マイクロ粒子を合成した。得られたリグニン微粒子の特性評価のため,リグニン微粒子の形態観察,平均粒径,粒度分布等を実施した。次いで,リグニン微粒子を用いてピッカリングエマルションを調製し,その安定性を調査した。その結果,o/w型のピッカリングエマルションを形成し,数か月に渡って安定化することを示した。また応用開発の事例として,ゲル接着性を評価した。
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