2023 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激を駆動力として伸縮運動する二重らせん高分子の創製と応用
Project/Area Number |
21K05166
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
田浦 大輔 名城大学, 理工学部, 准教授 (20622450)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超分子 / 二重らせん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外部刺激に応答して可逆的に伸縮運動する二重らせん高分子の合成、ならびに、外部刺激による可逆的・微視的な伸縮運動に伴う変化を巨視的レベルに増幅可能な機能性材料の開発を目指し、以下に示す結果を得た。 A. 段階的な高分子化を実現するために、まず、10段階の反応を経て、両末端にトリメチルシリル (TMS) 基が置換され、中央にビフェニル部位を有するオクタアニソール誘導体 (1) を合成した。次に、三臭化ホウ素 (BBr3) を用いて、1のメトキシ (OMe) 基を脱メチル化することで、オクタフェノール誘導体 (2) を得た。 B. 伸縮可能な二重らせん分子の基板への固定化を目指し、まず、両末端にトリメチルシリルエチニル (TMSC≡C) 基が置換され、中央にビフェニル部位を有するテトラフェノール誘導体 (3) と水素化ホウ素ナトリウムの反応、および、Na+イオンのテンプレート効果によるメソ-ラセモ変換を経て、両末端にTMSC≡C基を有する二重らせんホウ素ヘリケート (rac-4) を合成した。また、炭酸カリウムを用いて、TMS基を脱保護したところ、その構造を保持したまま、エチニル (C≡C) 基へと変換可能であることが分かった。 C. 伸縮可能な二重らせん骨格からなるハニカム構造を有する二次元シートの作製を目指し、まず、9段階の反応を経て、片末端にヨード基が置換され、中央にビフェニル部位を有するテトラアニソール誘導体 (5) を合成した。次に、5と1,3,5-フェニルトリボロン酸トリス(ピナコール)エステルの鈴木・宮浦クロスカップリングにより、ベンゼン環の1,3,5位にビフェニル部位を有するテトラアニソール誘導体を導入した化合物 (6) を得た。最後に、BBr3を用いて、6のOMe基を脱メチル化することで、テトラフェノール誘導体からなる三分岐型分子 (7) を合成した。
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