2022 Fiscal Year Research-status Report
1,6-ジインの環化重合による環状ポリエンの合成および物性と利用
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21K05172
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岡本 専太郎 神奈川大学, 工学部, 教授 (00201989)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 環化付加重合 / 環状ポリエン / 共役高分子 / ニッケル触媒 / 環状高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
1,6-ジイン化合物の触媒的環化付加重合に於いて,嵩高い窒素系配位子を持つニッケル触媒を用いると環状ポリエン高分子が選択的に生成することを見出し,新しい重合反応として確立した。 得られた高分子のMALDI-TOF-MSおよびGPC分析から,全てが末端構造を持たない環状高分子であり,しかも,狭い分子量分散で生成することを明らかにした。重水素化された1,6-ジインを用いた反応によって,分子構造を明らかにした。以上の知見から,この重合反応の反応機構を提案し,特に,狭い分子量分散で環状高分子が生成する理由を考察した。各種の部分構造を有する1,6-ジインを用いる重合を検討し,広い基質適用性および高い官能基選択性を明らかにした。 異なる2種類の1,2-ジインの共重合が可能であり,これを用いて官能基化されたジインとの共重合体の核磁気共鳴スペクトル分析から,生成高分子はおおよそ8量体を中心とする分子量分散の狭いオリゴマー混合物であることを明らかにした。生成した環状高分子は,熱異性化によりall-trans型環状ポリエンに変換できることと、その際の異性化前後の物性比較を行った。これらの研究成果について論文発表した。 さらに,モノアルキンとの共重合も可能であり,特に,配位性官能基を有するモノアルキンが効率良い共重合の基質であることを見出した。プロパルギルアルコールとの共重合生成物のアリルアルコール部を利用した官能機変換が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた (v) 同様構造の鎖状高分子の合成については,プロパルギルアルコールとの共重合が可能で,生成高分子のアリルアルコール部を利用した官能機変換が可能であり環状ポリエンの環切断に可能性を示すことができた。(vi) 生成環状高分子の基礎物性については,縮退した環状高分子の熱異性化反応を見出し,異性化前後の光学特性を含む物性を比較できた。2種類のジインやモノアルキンとの共重合を達成し,次年度の研究の基礎を築いた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究計画がほぼ計画通り成果を上げることができており,また,2023年度で計画していた環状高分子の異性化反応をすでに達成している。2023年度は同様部分構造を有する鎖状高分子を合成し,物性比較を行う。さらに,この環状高分子が側鎖(ペンダント部分)に導入した官能基を高度に集積し,しかも分子量分散が極めて狭いオリゴマー集合体であることに着目し,側鎖部に導電性構造を導入した導電性高分子への応用開発を進める。
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Causes of Carryover |
当初困難も予想された部分を含む研究計画の大半が比較的順調に成果が得られる形で研究を遂行できたことで,本年度執行予定だった予算に残額ができた。次年度以降に予定しているより高度な研究計画に対して,当該年度予算と合わせて有効に執行することを予定している。
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Research Products
(1 results)