2021 Fiscal Year Research-status Report
PCや複雑な回路を使用しない圧電性繊維を用いたsmart sensing
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21K05188
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田實 佳郎 関西大学, システム理工学部, 教授 (00282236)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 圧電性 / 繊維 / ポリ乳酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
PCや複雑な回路を使用しない圧電性繊維を用いたsmart sensingのコンセプトをより発揮するために、2021年度は圧電性繊維を組紐型にした圧電組紐の最適なセンサ形状を検討した:1)組紐混合型。2)飾り結び型。3)刺繍型。4)コード刺繍型。5)Blade型。現在、手縫いでの対応は1)、2)、3)、機械縫い対応は4)、5)である。複雑なmotionをsensingするには現在までの研究では京結びや刺繍を応用することが最も適していることが我々の研究で分かっているが、工業的な利用を考えると、4または5を発展させねばならない。我々は有限要素法を用い4)と5)で2)を実現する形状を多数検討した。その中から、生地に垂直に圧電繊維を配置せずとも、sensing性能が発揮できるBlade状の配置の間隔、生地の柔らかさ(弾性率)、しなやかさ(伸び率)をある程度最適化できた。その結果従来困難であった4)コード刺繍型と5)Blade型で、脈動や呼吸にともなう小さな運動などのsensingが可能になった。また、1)の組みひも混合型は京組紐の約40種類の基本形のなかから、丸組紐、角組紐、平組紐の代表例を実際に組んで検討した。絹糸、金銀糸等を選別し、糸繰り、経尺、撚かけに注意を払った。 特に過度の撚かけをすると圧電繊維の動きを著しく妨げ、sensing性能が低下することも分かった。「平紐」「丸紐」「角紐」「笹波紐」を検討したがとくに平紐が再現性がよいことが示された。しかしながら、その原因については解析が完成しておらず、原因はここで記すことはできない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍における影響を本課題は多大に受けている。本課題では、多くの外部の企業研究者が、無理のない範囲でボランティア的にそれぞれの専門性を共同研究として活かす相乗効果で進行する、ユニークなものであった。しかしながら、コロナにおける蔓延防止法における大学のオンライン化によりフィジカル空間での実験が数か月できない状態が続いた。また企業においては出社制限がかかり、出社時にボランティア的な研究遂行が不可能になった。一方で研究遂行のための評価試験装置、制御装置が半導体不足で年度内の試作設計が不可能になった。本課題のように工業化を目指した研究の場合、フィジカル空間での活動に制限がこれほど長期間にかかることは想定せず、多大な影響を受けた。そこで、サーバ空間を取り入れたシミュレーション、有限要素法を駆使することにし、研究の遅れを最小限にとどめた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は半導体不足が緩和し、コロナ禍もwith CoVidに方向が変わると思われる。現在、2021年から継続している検査装置、BLE回路などPCを使わないために必須で最適なモバイル回路などを設計、試作、試験を急ピッチで進めている。 また今年に急遽準備し行った組紐形状の最適化シミュレーションをもとに、2022年度は協力工場がオミクロン禍を乗り越えて、稼働できるようになるので、前期中に実験を行い最適化をする予定である。 2021年度のトラブルをこの前期中に取り戻すべく計画を進めている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における影響を本課題は多大に受けている。コロナにおける蔓延防止法における大学のオンライン化によりフィジカル空間での実験が数か月できない状態が続いた。また企業においては出社制限がかかり、出社時にボランティア的な研究遂行が不可能になった。一方で研究遂行のための評価試験装置、制御装置が半導体不足で年度内の試作設計が不可能になった。2022年度は半導体不足が緩和し、コロナ禍もwith CoVidに方向が変わると思われる。現在、2021年から継続している検査装置、BLE回路などPCを使わないために必須で最適なモバイル回路などを設計、試作、試験を急ピッチで進めている。 前期中に実験を行い最適化をする予定である。
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[Journal Article] A Prototype Sensor System Using Fabricated Piezoelectric Braided Cord for Work-Environment Measurement during Work from Home2021
Author(s)
Tajitsu, Y ; Takarada, J; Takatani, K; Nakanishi, R ; Yanagimoto, ; Shiomi, S ; Nakagawa, I; Kawahara,Nakiri, T ; Shimda, S ; Shimura, Y ; Nonomura, T ; Kojima, K; Ikeguch, A ; Okayama, K; Sakai, T ; Morioka, S ; Takahashi, M ; Sugiyama, K ; Nisho, R; Takeshita, K
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Journal Title
Micromachines
Volume: 12
Pages: 966-978
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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