2022 Fiscal Year Research-status Report
Self-antibacterial cycle by polymer surface modification
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21K05200
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
金 善南 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (00612532)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗菌サイクル / pH応答性フィルム / 表面修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高分子フィルムに安全かつ持続的な抗菌効果を付与するため、汚染防止と殺菌の両方の機能を併せ持つだけでなく、外部刺激の要らない抗菌サイクルの駆動を可能にする高機能性フィルムの作製を目的としている。 セルフ抗菌サイクルは、親水性表面によるクリーニング機能に加え、細菌の附着に反応してカチオン性界面活性剤のような殺菌機能を活性化するシステムの構築により実現する。 細菌が接近し、附着すると、活発な生理活性により弱酸性の環境になる。弱酸性のpHに応答するカチオン部位として、酸性度(pKa)が6.3と知られているジイソプロピルアミン基(DPA)を導入した。DPA高分子のpH応答性については証明している。 当初は、親水性ポリマーと殺菌作用のDPAポリマーを光重合により、交互にグラフト重合する方針であったが、より容易に表面修飾が期待でき、かつ高密度の機能性部位を導入できるHBPの合成へ方針転換した。カルボキシ基の末端のDPA基を含む親水性HBPを合成した。zeta電位の測定により、pH5-7付近で表面電荷が負から正に変わることを確認した。また、DPAの割合が増えるほど、pH7付近に近づいていくことが分かった。また、pHの低下に伴い水分散HBPのサイズが大きくなることから、DPAのイオン化に基づく、カチオン性部位の膨潤が考えられる。今後の方針として、カルボン酸末端基の修飾を利用して、表面修飾と、フィルム表面のpH応答性評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高エネルギー照射により発生するラジカルの生成の評価や、発生したラジカルによる開始剤付加反応の問題点から、高分子設計において方針転換をした。
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Strategy for Future Research Activity |
アミノ基を有するシランカップリング剤による、カルボン酸末端の脱水反応により、HBPをガラス表面に修飾し、フィルム表面の親水性評価や、pH応答性について調べる。
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Causes of Carryover |
研究が少し遅れていたため、一部の経費を翌年度分に割り当てた。引き続き合成に必要な試薬代やガラス器具の購入に使用予定
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Research Products
(9 results)