2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of mechanorisponsive metallopolymers with high toughness
Project/Area Number |
21K05203
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
曽川 洋光 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (90709297)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メカノクロミズム / メタロポリマー / ポリウレタン / 白金錯体 / エラストマー / 引張試験 / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,力学応答性を示す白金錯体をポリウレタン主鎖中に組み込むことで,外部応力に応じて鋭敏に蛍光色が変化する強靭性としなやかさを併せ持つメカノクロミックメタロポリマーの開発を目指す。2021年度までに,アルコール部位を有するメカノクロミック白金-アセチリド錯体をモノマーに用いたポリウレタンを合成し,これをすり潰すことで橙色から褐色の蛍光変化が起こることを明らかとしている。しかしながら,得られたポリウレタンは成膜性に乏しく,その力学特性の評価が困難であった。 そこで2022年度はアルコール部位を有するメカノクロミック白金-アセチリド錯体を用いたセグメント化ポリウレタンの合成を実施した。白金-アセチリド錯体含有ジオールと1,6-ヘキサメチレンジイソシアナートに加え,長鎖ジオールとしてポリ(テトラヒドロフラン)(Mn = 2,000),鎖長延長剤として1,4-ブタンジオールを用いて,対応する白金-アセチリド錯体含有セグメント化ポリウレタンを得た。得られたポリウレタンはポリスチレン換算でMw > 100,000の分子量を有し,また成膜性にも優れていた。THFのキャストフィルムより得られたダンベル試験片を用いて引張試験を実施した結果,その引張強度,引張伸度はそれぞれ10 MPa,1,000%以上のであり,良好な力学強度を有していることを見出した。またその伸長時のダンベル試験片の蛍光色をCIEプロットにより解析したところ,伸長に伴い,色調が変化していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通り,良好な力学強度とメカノクロミック挙動を示すポリウレタンの合成に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,2022年度合成した白金錯体含有セグメント化ポリウレタンの定量的なメカノクロミック挙動の解析を実施する。加えて,白金錯体モノマーの量比を増やしたものの合成も検討し,その色調変化の差異を確認する。またセグメント化ポリウレタンのX線構造解析も実施する予定である。さらに,現在導入している白金錯体モノマーの共役ユニットを変更し,異なる蛍光色変化を示すメカノクロミックポリウレタンの合成も検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:コロナ禍の影響により,実験が一時停止してしまう期間もあり,消耗品の使用額が計画より少なくなったため。 使用計画:2023年度は当初予定していたよりも研究を推進する協力学生の数を増員し,より研究を促進する。それに伴い,物品購入費および旅費を当初予定していた分より使用する予定である。
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