2023 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子結晶内のイオン配列制御による高速・高効率な電気化学反応の実現
Project/Area Number |
21K05241
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩間 悦郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90726423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直井 勝彦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (70192664)
沖田 尚久 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70846625)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イオン配列制御 / 高速充放電 / エネルギー高効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
R5年度は、cation-disordered LVOと類似した構造・電気化学特性を有するγ型LVOに関する研究を推進した。高イオン伝導性を有するγ型LVOは700 °C以上の高温で得られるものの、冷却時に通常のLVO(β型構造)へと戻り、電気化学特性が不活性化してしまう。そこでLVO中のV5+をTi4+で選択的に置換することで、γ型LVOを常温常圧で安定化させ、cation-disordered LVOと同等の電気化学特性を引き出すことに成功した。さらに、結晶変化を急冷・急停止させるクエンチ法を応用することで、冷却中に活性化LVO(γ型)が通常のLVO(β型)に戻る速度を定量することに成功し、導入したTi4+が速度論的に活性化LVOを安定化させることを明らかにした。 またLi資源に依存しないPost-Li+電池創製を目的とし、cation-disordered LVOのMgイオン電池負極特性評価を行った。0.08Cにおいて、約300 mAh g-1の容量の発現に成功した。V-K edge XAFS測定より、充放電に伴いVイオンの価数が+5.0から+3.8の間で変化することが確認され、cation-disordered LVOのMg2+電池負極としての可能性を示すことに成功した。 さらにCation-disordered型の新規負極材料として、高容量(理論容量1966 mAh g-1)を持つ閃亜鉛鉱型AII-BIV-CV化合物ZnSiP2に着目した。従来のAr雰囲気下のボールミル合成ではなく、大気下で合成したZnSiP2は、電子顕微鏡観察において結晶領域に加えアモルファス領域が多く確認できた。この大気下合成ZnSiP2は、Ar雰囲気合成品と比べて、リチウムイオン拡散性も約3倍ほど向上し、1C充放電におけるサイクル特性も優れることが明らかとなった。
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Research Products
(20 results)