2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of organic/inorganic hybrid catalyst based on a distorted porphyrin
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21K05254
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小谷 弘明 筑波大学, 数理物質系, 助教 (10610743)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ハイブリッド触媒 / 光触媒 / 電子移動 / 酸素還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体光触媒である酸化チタン(TiO2)上へ有機還元触媒であるジプロトン化ドデカフェニルポルフィリン(H4DPP2+)を担持するため、TiO2と相互作用が可能なカルボン酸部位、及びピリジン環部位を有するH4DPP2+誘導体(H4DPP2+-(COOH)4 and H4DPP2+-(PhPy)4)の合成を行った。THFもしくはメタノール中での含浸法によりTiO2上へのH4DPP2+誘導体担持を行った。H4DPP2+誘導体の表面担持量については、上澄み液におけるH4DPP2+誘導体に由来する吸光度減少から見積もったところ、約9 mgのH4DPP2+誘導体が1 gのTiO2上に担持出来ることが判明した。それぞれ合成したH4DPP2+誘導体をTiO2上に担持した有機/無機ハイブリッド触媒を用いて、光触媒的酸素還元反応の検討を行った。その結果、メタノールを溶媒かつ電子源とした場合、空気下においてハイブリッド触媒への紫外線照射により、生成物として過酸化水素の生成が確認出来た。生成した過酸化水素の定量は、ヨードメトリー法によって行い、光照射後約1時間で4 umol生成していることが判明した。しかし、紫外線照射によって担持した半分以上のH4DPP2+誘導体が脱離もしくは光分解してしまうことが判明した。今後は、TiO2表面と強く相互作用する置換基の探索や反応条件の最適化により有機/無機ハイブリッド触媒の光耐久性向上を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半導体光触媒であるTiO2と有機光触媒であるH4DPP2+を組み合わせた有機/無機ハイブリッド触媒の合成と反応性評価まで実施した。今後は耐久性の高いハイブリッド触媒の開発を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としては、半導体光触媒であるTiO2をさらに効率のよい光触媒へと変更し、メタノールではなく水を電子源とした光触媒系の展開を行う。
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