2023 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌L-アミノ酸オキシダーゼの金属による複合体形成と活性調節機序の解明
Project/Area Number |
21K05285
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
葛西 宏介 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (50400148)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗菌タンパク質 / 金属配位 / 活性調節 / 複合体形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、psLAAO1の亜鉛・マグネシウムを介した複合体形成と抗菌・酵素活性調節について金属配位が影響を及ぼすことを明らかにした。研究項目① 各種LAAOの人工合成(2021~2023年度):psLAAOの金属配位アミノ酸部位を金属が配位することができないアラニンに置換した各種変異型を作製した。タンパク質表面にある348番ヒスチジンならびに209番ヒスチジン(陰性コントロール)をアラニンに置換したものは合成収量が解析可能な十分量を確保できているが、241番スレオニンならびに406番アスパラギン酸に関しては、タンパク質の維持や安定性に影響を及ぼすことから、収量がとても少なくタンパク質発現条件の最適化を図っても回収が困難であった。また、当初の酵母株から植物カルスに変更して発現誘導を実施した。 研究項目② LAAO複合体形成の確認(2021~2022年度):複合体形成実験で使用するFLAG配列を付加したpsLAAOは、合成収量が少なくFLAG検出感度も不十分であるため発現合成条件の最適化をおこなった。psLAAOをタンパク質架橋剤(BS3:側鎖にアミノ基をもつリシン同士を架橋)で処理することで複合体を検出することができ、ホモ8量体を形成することが推察された。 研究項目③ 安定性試験(2022~2023年度):安定性試験に関して、キレート剤を用いて金属除去することにより活性の不安定化が認められている。348番ヒスチジンをアラニンに置換させたpsLAAOは、キレートを用いて金属を除去したものと同様に不安定性が認められている。209番ヒスチジンをアラニンに置換させたものは変異を挿入しても安定であった。
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