2023 Fiscal Year Annual Research Report
海洋シアノバクテリア由来の生活習慣病治療薬リード化合物の探索と作用機序の解析
Project/Area Number |
21K05291
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
照屋 俊明 琉球大学, 教育学部, 教授 (90375428)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋シアノバクテリア / 前駆脂肪細胞 / 成熟脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
琉球列島の干潟で採集した海洋シアノバクテリアを材料にして、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化を促進する化合物や、成熟脂肪細胞に蓄積したトリグリセリドの分解を促進する化合物を探索したところodopenicillatamideを得た。Odopenicillatamideについては、濃度依存的にL6筋管細胞への糖取り込みを促進することを報告している。本研究では3T3-L1前駆脂肪細胞を成熟脂肪細胞へ分化させた際に蓄積するトリグリセリドに対するodopenicillatamideの効果について検討した結果、odopenicillatamideは成熟脂肪細胞に蓄積したトリグリセリドを分解する効果を有することが明らかとなった。また辺戸周辺の海岸で採集した海洋シアノバクテリアから、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化を促進する新規リポペプチドを単離した。得られた化合物については、各種スペクトル解析により平面構造を決定した。不斉炭素原子を持つ3種類のアミノ酸、N-メチルイソロイシン、アラニン、2-メチルシステインについては、酸加水分解後、Marfey法を用いて絶対立体配置を決定することとした。その結果N-メチルイソロイシンとアラニンはL体であることが明らかとなった。残る2-メチルシステインについてもMarfey法を用いて絶対立体配置を決定する予定である。側鎖部位については、NOESYスペクトルを詳細に解析することで相対立体配置を決定する予定である。また絶対立体配置については、加水分解により生じる2級水酸基に対して、改良Mosher法を適用することで決定する予定である。
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