2023 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the mechanism of action of pestalotioquinol A that protects cells from reactive nitrogen species
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21K05299
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
紙透 伸治 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (30553846)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 神経保護物質 / 活性窒素種 / 標的タンパク質 / 二次代謝産物 / 抗炎症物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
Pestalotioquinol A(pesA)は、活性窒素種であるペルオキシナイトライトから神経細胞様に分化したラット副腎髄質褐色細胞腫PC12細胞を保護する。前年度までに、細胞サーマルシフトアッセイを用いた解析によりpesAの結合タンパク質としてElongation factor 1 alpha 1 (EF1α1)が同定されている。更なる解析により、pesAはEF1α1を介してペルオキシナイトライトによるAktのリン酸化抑制を阻害することで保護活性を示す可能性が示唆されている。本年度はペルオキシナイトライトによる細胞死やpesAの保護活性にEF1α1が関与しているかを調べるために、EF1α1をsiRNAによりノックダウンすることとした。種々条件検討を行った結果、リバースとフォワードの計2回トランスフェクションによりsiRNAを導入することで、効率的にEF1α1をノックダウンできることが明らかになった。次にEF1α1をノックダウンしたPC12細胞を神経細胞様に分化した後に、pesA存在下でペルオキシナイトライト供与体であるSIN-1で処理し、SIN-1やpesAに対する感受性の変化を調べた。その結果、EF1α1をノックダウンすると、SIN-1感受性が高まり、pesAの保護活性が低下することが示唆された。前年度のEF1α1に作用するシロスタゾール用いた実験同様に、ノックダウンの実験においてもEF1α1がpesAの標的タンパク質であることと矛盾しない結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EF1α1のノックダウンの条件検討に時間を要したが、リバースとフォワードの計2回トランスフェクションにより効率的にEF1α1をノックダウンできることが明らかになった。この実験ではEF1α1がpesAの標的タンパク質であることと矛盾しない結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに得られたデータを精査し、論文化を目指す。
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Causes of Carryover |
条件検討に時間を要し、論文化が遅れたため次年度使用額が生じた。これらは論文化の際の投稿費や英文校閲費、リバイスの実験の消耗品費として使用する予定である。
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