2023 Fiscal Year Annual Research Report
Soil environmental condition of the ginger field converted from paddy and its relationship to disease infection in the mountainous region of Kochi Prefecture
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21K05328
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
田中 壮太 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (10304669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森塚 直樹 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 准教授 (10554975)
大西 浩平 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (50211800)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ショウガ / 音地 / 中山間地 / 土壌の空間変異 / 根茎腐敗病 |
Outline of Annual Research Achievements |
高知県四万十町は我が国のショウガ栽培の中核地域であるが、病害発生が深刻な問題である。本研究は、中山間地における圃場の多様な立地環境と病害発生との関連を調べ、どのような土壌環境条件でショウガの病害が発生するのかを明らかにすることを目的とした。 2023年度は、1)四万十町には音地が広く分布しているが、これまでの調査土壌が赤音地のみであったことから、黒音地の土壌特性を調べることにより、四万十町の土壌生成環境の概要を明らかにした。2)ショウガは根が浅く乾燥害を受けやすいが、四万十町の大半の露地圃場は天水栽培であることから、ショウガの生育量と収量に及ぼす灌水の効果を調べ、潅水による病害の助長は認められないことを示した。3)特異的プライマーを利用したPCRによる検出法を試行し、この方法が根茎腐敗病菌の検出に有効であることを示した。2023年度が最終年度であることから、2021年度以降の研究結果を解析した。1)土壌は圃場間で大きく異なるだけでなく、圃場内でも大きく異なっており、一部の圃場では下層に火山灰土の層(赤音地層)が認められた。2)病害発生の頻度や程度は、水が溜まりやすい圃場や圃場内の水が溜まりやすい地点で大きかった。3)多雨期までに病原菌は検出されなかった。4)したがって、土壌消毒は概ね成功しているが、土壌底部に病原菌が生残し、梅雨期以降の土壌水分の増加やショウガの根の伸長に加えて、台風などの莫大な降水があった際に土壌の排水が追い付かず、水位の上昇とともに生残病原菌が土壌中を移動しショウガに感染していると考えられること、さらに圃場間や圃場内での病害発生のばらつきは下層土の状況に起因している可能性が高いことが示された。以上の結果に基づいて、立地環境や土壌条件を類型化し、病害発生の起因となる圃場の排水に関係する対策や消毒方法の選択に関する試案を策定して、生産者や行政に提案した。
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Research Products
(3 results)