2023 Fiscal Year Annual Research Report
Isolation of yeasts from Drosophila and future expansion of industrial applications
Project/Area Number |
21K05342
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清家 泰介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (80760842)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 野生酵母 / ショウジョウバエ / 多様性 / 進化 / 代謝 / 新種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は北海道3カ所、秋田、新潟、長野11カ所、山梨13カ所、千葉、東京、滋賀2カ所、京都、大阪、広島5カ所、島根4カ所、福岡、熊本2カ所でショウジョウバエを採集した。加えて長野、山梨、沖縄で植物や土壌を集めて、これらのサンプルから野生酵母を単離した。結果としてこれまでに63属187種 (うち新種酵母11種) を得ることができた。そのうちアミノ酸要求性がなく培養しやすい171株を選び、これらの酵母株についてD-Xylose, L-Arabinose, Methanolの資化能、高温・低温、高pH・低pH、塩耐性、酸耐性、アルコール耐性、嫌気条件での増殖能を調べた。また合成培地SD培地での回分培養により、24, 48時間後に培地を回収してHPLC (島津Prominence) によりグルコースの消費量とエタノールの生産量 (および副産物であるグリセロール、酢酸の量) を定量した。さらにいくつかの酵母株をSD培地で培養し、対数増殖期・定常期でのメタボローム分析を行った。メタノール・クロロホルム・水法で代謝物を抽出し、およそ70種の親水性代謝物をLC-MS/MS (島津LCMS8060NX) で定量した。これらの結果を階層的クラスタリングにより情報学的に解析し、株間で細胞内代謝物量の蓄積に違いがあることが分かり、酵母の科レベルでの特徴や酵母全体としての表現型・代謝の特徴を捉えることができた。 この数年間で得られた新種酵母については、そのうち5種を新種酵母として論文の執筆を進めている。Wickerhamiella属の新種は2023年論文が出版され、Wickerhamiella bidentis sp. nov.として認定された。引き続き、酵母ライブラリの拡充を目指し、野生酵母の潜在能力について評価していく予定である。
|