2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of drought tolerance mechanisms involved in the process of dehydration in a terrestrial cyanobacterium, Nostoc sp. HK-01.
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21K05350
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
安部 智子 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (40553524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横谷 香織 筑波大学, 生命環境系, 客員研究員 (10217531)
加藤 浩 三重大学, 地域イノベーション推進機構, 助教 (30378327)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シアノバクテリア / 乾燥耐性 / 紫外線耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高い過酷環境耐性を備えるNostoc sp. HK-01の環境耐性機構、とくに乾燥耐性におけるストレス耐性機構の解明を目的として研究を行ってきた。 最終年度は、乾燥後の蘇生過程における遺伝子発現に注目し、これまで行ってきた乾燥過程での遺伝子発現との比較を行った。乾燥細胞群に加水して3時間後の細胞からRNAおよびタンパク質を抽出・精製し、RNA-seq解析に加えタンパク質の二次元電気泳動解析を行った。RNA-seq解析では、乾燥前、乾燥過程の発現遺伝子と比較することにより蘇生中に発現が増加した、あるいは減少した遺伝子を検出した。ヒートショックプロテインを含むいくつかのシャペロン遺伝子、ペプチダーゼの遺伝子、グルタミン酸合成に関わる遺伝子の発現が増加することがわかった。ヒートショックプロテイン遺伝子は、乾燥過程時に増加した遺伝子と同じものであった。タンパク質の二次元電気泳動解析では、乾燥細胞群から抽出したタンパク質と蘇生3日後のタンパク質の比較を行った。乾燥前から乾燥時で検出された増加タンパク質と比較して、多くの増加タンパク質が検出された。現在、これらのタンパク質の同定を進めている。 シアノバクテリアが増殖過程で細胞外環境に産生する細胞外物質(ES; Extracellular substance)は、多糖類や脂質、タンパク質などの生体高分子で構成されている。Nostoc sp. HK-01の乾燥細胞中の高い過酷環境耐性にESが高く寄与していると考えられた。紫外線曝露後のES未除去細胞の生存率がES除去細胞の生存率と比較して有意に高いことをこれまでに明らかにし、最終年度は、これらESの湿潤 - 乾燥サイクルでの組成変化を、吸収スペクトルおよびHPLC分析結果の比較により検出した。
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