2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation o the physiological functions of membrane vesicles produced by fermented food-derived bacteria and their application
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21K05352
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
倉田 淳志 近畿大学, 農学部, 准教授 (10416000)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞外膜小胞 / 腸内細菌 / 免疫賦活 / タンパク質 / 核酸 / サイトカイン / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌が細胞外に放出する膜小胞は、生体の免疫系を賦活化できるため、ワクチンアジュバントへの応用が期待される。しかし膜小胞でどのような免疫応答を増強できるのか不明であり、膜小胞による生体への作用機序も不明である。膜小胞の生産機構は不明であり、免疫賦活能に優れた膜小胞の高生産株は育種されていない。膜小胞の活用には、これらの点を解明する必要がある。 すでに発酵食品や腸から独自に分離した細菌の膜小胞に、IgAやIgGという抗体の生産量を増加できるアジュバント活性を発見し、膜小胞による免疫細胞への作用機序を解明しつつある。そこで新たなアジュバント開発を目的として、独自の膜小胞を対象に①抗体の産生誘導活性を担う物質の同定、②膜小胞に対する腸管細胞層の応答や透過性の解明、③細菌による膜小胞の形成・分泌機構の解明を行う。 R3年度には、乳酸菌やビフィズス菌を対象に、膜小胞中の抗体産生誘導能を示す物質の同定を試みた。具体的には、(1)Lactiplantibacillus属細菌、Bifidobacterium属細菌の膜小胞による、炎症性サイトカインや抗炎症性サイトカインの産生誘導能、抗体IgAの産生誘導能を検出できた。(2)Lactiplantibacillus属細菌の膜小胞中のタンパク質を網羅的に同定し、リポタンパク質Lp19180を見いだした。(3)リポタンパク質Lp19180は、異種発現系で発現させて、各種カラムワークで精製した。精製したリポタンパク質Lp19180を用いて、Toll様受容体2を介したNF-κBの活性化、サイトカインの生産誘導能を確認できた。また、Lactiplantibacillus属細菌、Bifidobacterium属細菌の膜小胞中のタンパク質に注目して、抗体を作成して、膜小胞の検出系の構築を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、抗体の産生誘導活性を担う膜小胞中の物質を同定できた。膜小胞中のタンパク質を検出するための抗体を作成できた。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
各種の腸内細菌の膜小胞によって、In vitro細胞試験でマクロファージから各種サイトカインの産生が誘導された。腸管では、共生菌の膜小胞が免疫細胞へ作用することが示唆されるため、膜小胞に対する腸管細胞層の応答や透過性を解明する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた膜小胞中の抗体産生に作用するタンパク質を順調に同定できたので、当初、次年度に実施予定であった、膜小胞の検出技術の開発を開始した。具体的には、抗体を用いた膜小胞の検出系の構築を試みた。そのために必要な経費を本年度に使用した。
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