2023 Fiscal Year Annual Research Report
High-density cultivation method that does not allow lactic acid bacteria to produce lactic acid
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21K05372
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
片倉 啓雄 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50263207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 思乃 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (50602182)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / 高密度培養 / 流加培養 / カタボライト抑制 / RNAseq / 好気培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
Latoplantibacillus plantarumを好気条件で流加培養したところ、oxidaseなど酸素を電子受容体とするNAD+再生経路の発現が高まっており、副生するH2O2を消去するため、NADH peroxidaseの発現も増加していた。比増殖速度μを様々なレベルに設定してグルコースを流加したところ、μ=0.25 1/h付近で過酸化水素の蓄積が見られた。一方、鉄キレートタンパク質をコードすると推定される遺伝子lp_2113の発現が好気流加培養では顕著に増加していた。鉄イオンが触媒するフェントン反応で過酸化水素からより有害なヒドロキシルラジカルが生じるのを回避していると考えられたので、現在、組換えタンパク質の鉄キレート能を調べるとともに、遺伝子破壊実験で酸素感受性が増すかを検証している。 また、グリセリンのトランスポーター(glpF3)とglycerol kinase (glpK)に加えて、グリセロリン酸からNAD+を使わずに過酸化水素を副生してジヒドロキシアセトンリン酸を生じるα-glycerophosphate oxidase (glpD)が発現していた。酸素障害に備えた上で意図的に過酸化水素を発生させているも考えられ、この仮説を検証している。 L. lactisで好気流加による高密度培養を行ったところ、低いμでは乳酸生産を抑制できるが酢酸の生産が認められた。エネルギー不足を補うためと考えられたので、ヘムを添加して呼吸鎖の形成を促したところ、菌体濃度は19 g-DCW/L (5.6×10^10cfu/mL) まで培養でき、対糖菌体収率は0.42 g-DCW/g-glucose に達した。電気透析などの大掛かりな装置を用いた場合を除けば、これまでの報告で最も高い菌体濃度を達成した。
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