2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K05377
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
平田 大 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30243603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 酵母 / 寿命制御 / チェックポイント / 細胞極性 / 環境適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)背景(意義・重要性):細胞極性制御やチェックポイント機構は、細胞の正常な機能発現や遺伝情報の完全性の維持に必須で、その破綻は細胞癌化・老化 の一要因である。一方、寿命制御機構の解明は、健康寿命の延伸のみならず老化に伴う癌や生活習慣病の発症機構の解明・予防にとって極めて重要である。 (2)目的:本研究では申請者がモデル細胞・酵母において発見した細胞極性制御経路について、寿命制御機構との関連性について解析する。具体的には、酵母 の細胞極性制御経路(関連分子を含む)について、環境変化に適応する寿命制御機構との関連性を調査し、健康長寿延伸のための基盤研究を展開する。 (3)実施状況:これまでの研究結果に基づき以下の4つの研究テーマについて研究を展開した。テーマ1 )環境変化に応答する細胞挙動の解析:昨年度、設定した環境条件において、酵母細胞の生存率に加え、発酵状態を把握するため炭酸発生量(アルコール生成量)を測定した。その結果、酵母の細胞増殖とアルコール発酵の関係を二つのphaseに分類した(phase-1とphase-2)。テーマ2 )環境適応寿命における細胞極性制御経路の重要性の調査:昨年度同定した分子に加え、周辺の関連分子についても探索の枠を広げ、重要分子を探索している。さらに、テーマ1で分類した二つのphaseについて、必要な分子を、出芽・分裂の両酵母を用いて、それぞれ探索している。両酵母から同定された分子群について、その機能の関連性を解析している。テーマ3)環境適応時の細胞極性制御分子の挙動解析:観察対象分子をテーマ2の結果を踏まえ、絞り込んでいる。テーマ4)細胞極性制御経路と既知寿命制御経路との機能関連:テーマ2の結果を踏まえ、細胞極性制御分子としてはチェックポイント関連分子に着目し、関連性について解析しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究実施計画に基づき、概ね予定通り研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で確認された、寿命制御に関連する新たな分子(含む:情報伝達経路)についても研究を展開する予定である。
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