2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanism in C. elegans larval diapause by short neuropeptides
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21K05393
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河野 強 鳥取大学, 農学部, 教授 (50270567)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 神経ペプチド / 生育・休眠制御 / ホルモン / 環境応答 / インスリン様ペプチド / TGF-beta |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自活性土壌線虫Caenorhabditis elegansをモデル生物として用い、短鎖神経ペプチドFLP(FMRFamide-like peptide)とその受容体が線虫の幼虫生 育/休眠を制御する分子機構を解明して植物寄生性線虫の防除法開発に資することを目的とする。 本年度は、まず、前年度に解析を進めたFLP-1の受容体探索を行った。①受容体FRPR(FMPRamide-like peptide receptor)群のスクリーニングを行い、FLP-1破壊と同様に休眠率低下を示す受容体を探索し、候補を絞り込んだ。②次いで、インスリン様ペプチドDAF-28を産生・分泌するASI神経細胞で発現する受容体に焦点を当てた。③続いて、これらの受容体の内、DAF-28の産生に関与するものを選定した。④さらに、機械学習によりFLP-1/FRPRのマッチングを行い、FLP-1受容体としてFRPR-1, FRPR-6を選出した。⑤最終的にはFLP-1過剰発現とFRPR-1破壊, FRPR-6破棄とのエピスタシス解析を行い、FLP-1受容体であることを立証した。また、AlphaFold2によるFLP-1との結合モデルを構築した(学会発表済み)。現在、FRPR-1, FRPR-6と共役するGalpha subunitの探索を進めている。 また、前年度に休眠制御ペプチドとして同定したFLP-11の解析を進め、①FLP-11は産生細胞を使い分けて、休眠制御/睡眠制御それぞれに関わること、②FLP-11は受容体NPR-22(Neuropeptide receptor-22)を介して、ASI細胞に於けるTGF-beta様タンパクDAF-7の産生分泌を制御すること、などを明らかにした(学会発表済み)。現在、NPR-22と共役するGalpha subunitの探索を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに研究を遂行し、学会発表を済ませている。令和5年度に学術論文1報の発表を済ませている。現在、学術論文投稿に向けて準備を進めており、令和6年度には学術論文2報の発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
学術論文発表に向けて、休眠を制御する短鎖神経ペプチドFLP-1受容体の詳細な解析を進める。 具体的には、受容体FRPR1, FRPR-6の共役するGalpha subunitの同定とインスリン様ペプチドDAF-28の制御機構を明らかにする。 また、休眠を制御する短鎖神経ペプチドFLP-11のより詳細な解析と受容体NPR-22を介した休眠制御機構を明らかにする。さらに、NPR-22以外の受容体の探索と解析を行う予定にしている。
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Causes of Carryover |
令和5年度までの研究成果を学術論文として発表するため、敢えて令和5年度の使用経費を削減し、令和6年度に持ち越した。 学術論文発表に必要な追加実験の実施、論文草稿の英語校正、投稿料に使用する予定である。
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