2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of D amino acid derivative synthetic method by ancestral L-amino acid oxidases
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21K05395
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中野 祥吾 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (80748541)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | L-アミノ酸酸化酵素 / 物質生産 / 光学分割 / D-アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は配列データベースより新規に取得した超耐熱性祖先型L-アミノ酸酸化酵素 (HTAncLAAO) の酵素学的諸性質の検討とD-アミノ酸合成への適用可能性を評価した。HTAncLAAOは独自のアミノ酸配列解析ソフトウェアを用いて、配列データベースより取得した11の機能未知のFAD依存型酵素配列を用いて、祖先型設計により復元した酵素である。本酵素は大腸菌発現系による大量発現 (>50 mg/L) が可能であり、7種類のL-アミノ酸 (L-Phe, L-Leu, L-Met, L-Ileなど) に対して反応性を有していた。HTAncLAAOの最大の特徴はその高い耐熱性と耐久性にある、事実、本酵素のt1/2値は90度を超えており、かつ30度条件下での1週間後における酵素活性の減弱も5%未満に抑えられるなど、触媒として極めて優れた機能を有することが判明した。そこでHTAncLAAOの優れた酵素機能をD-アミノ酸合成へと応用できると考え、本酵素と化学還元剤 (NH3:BH3) を用いた化学-酵素反応系を用いてラセミ体アミノ酸をD-アミノ酸へと光学分割することを試みた。結果、分取スケールの反応 (>100 mg) において、3種類のラセミ体アミノ酸 (3-フルオロフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、イソロイシン) からD体を高い光学純度 (>99% ee) かつ収率 (>85%) で得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的通りに研究は進んでおり、その中の一部の成果 (HTAncLAAO) についてはまとまったデータも得られている。事実、上記の得られた成果については既に論文として出版済みである (ChemCatChem, 2021, 13(24), 5228-5235)。出版した論文はBiocatalysis分野のHot topicに選出され、かつChemistryViewsにハイライトされるなど、高く評価されている。
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Strategy for Future Research Activity |
HTAncLAAOをD-アミノ酸合成に応用するには、その基質選択性をさらに拡張する必要がある。本課題を解決するべく、HTAncLAAOのX線結晶構造解析を継続して実施する。加えて酵素のみを用いてラセミ体アミノ酸からD体を合成できる酵素反応系の構築を引き続き進めていく。
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Research Products
(5 results)