2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism for diversifying the branched structure of GPI elucidated by interdisciplinary research in glycochemistry and glycobiology
Project/Area Number |
21K05401
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 秀則 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 助教 (20725064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 盛久 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 教授 (30532056)
平田 哲也 岐阜大学, 高等研究院, 特任助教 (90780651) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖脂質GPI / 糖鎖合成 / 糖転移酵素 / PGAP4 / 蛍光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに調製したしたグルコサミン(GlcN)およびイノシトール(Ins)ビルディングブロック(BB)を用い、GPI骨格構築の難所であるGlcN-α(1,6)-Insユニット合成を試みた。GlcN-BBとして2-アジドグルコース(Glc)供与体を、Ins-BBとして6位水酸基遊離Ins受容体を用い、Ginらによって開発された脱水型グルコシル化条件で反応を行った。しかしながら、目的のグリコシド成績体は30%程度の低収率に留まり、更にα選択性も低かった。この結果から本研究で用いたGlcN-BBとIns-BBの組み合わせでは、立体選択的にGlcN-Insユニットを合成することは困難であると判断した。 GlcN-Insユニット合成の課題に対して、我々は熱力学的支配のα選択的グリコシル化反応を確立することを目指した。Crichらが報告した4位および6位水酸基をボロン酸エステルで保護したGlc供与体を用いたα選択的グリコシル化反応の条件を精査した。その結果、最適化した反応条件において、幅広い糖受容体基質で高α選択的にグリコシド成績体を与えることを明らかにした。現在、2-アジドGlc供与体を含め糖供与体の基質一般性を検討している。 本研究で注目した糖転移酵素B3GALT4と同様にGPI側鎖を生合成する糖転移酵素PGAP4の活性評価を試みた。昨年度合成したトリマンノース蛍光プローブを受容体基質とし、ヒトPGAP4の精製タンパク質または細胞溶解液を用いたが、いづれも糖転移反応が進行せず、四糖グリコシド成績体は生成しなかった。本酵素実験により、PGAP4の基質にはGlcN-Ins骨格を含むGPI還元末端が必要であることが示唆された。 今後、合成GPI蛍光プローブ合成を達成し、それらを用いてPGAP4およびB3GALT4の酵素学的特性を明らかにすべく、今後も研究を継続する。
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