2021 Fiscal Year Research-status Report
イミダゾピラジノン骨格を有する生物発光基質の硫酸化とその機能性
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21K05414
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 光裕 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (50392056)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スルホトランスフェラーゼ / セレンテラジン / ルシフェリン / 硫酸転移反応 / 基質特異性 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋発光生物であるオワンクラゲやウミシイタケなどの発光基質はイミダゾピラジノン骨格を有するセレンテラジンである。また、ウミホタルは同じイミダゾピラジノン骨格を有するウミホタルルシフェリンである。セレンテラジンやウミホタルルシフェリンは、空気中で不安定であるが、その硫酸化体のエノールサルフェートは中性条件では比較的安定である。また、2ヶ所硫酸化されたセレンテラジンジサルフェートは、ホタルイカの発光基質として知られている。本研究では、ウミホタルの硫酸基転移酵素のスルホトランスフェラーゼの精製、スルホトランスフェラーゼによるセレンテラジンの位置特異的硫酸化とその機能解析を行う。 本年度は、セレンテラジンの酵素的硫酸化を試みた。発光酵素のルシフェラーゼやスルホトランスフェラーゼ等の酵素を含むウミホタル抽出液を作成し、セレンテラジンの酵素的硫酸化を試みた。その結果、一ヶ所の硫酸化を示すマススペクトルが得られた。また、セレンテラジン類縁体を用いて同様の酵素反応を行い、反応の有無によって硫酸化位置の推定ができた。そこで、得られる可能性の一つと考えられるセレンテラジンのエノールサルフェートをセレンテラジンから化学的に合成した。 オワンクラゲの発光タンパク質イクオリンを酸処理による分解によりセレンテラジンが酸素で酸化された(S)-2-パーオキシセレンテラジンからセレンテラミン、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸および4-ヒドロキシフェニル酢酸を同定した。また、FMNオキシドレダクターゼを用いてセレンテラジンの脱水素体であるデヒドロセレンテラジンからセレンテラジンへの酵素的変換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は、ウミホタル抽出液を調整し、それを用いてCTZの酵素的硫酸化方法を確立し、生成した硫酸化CTZの硫酸化位置を推定することが出来た。また、CTZエノ―ルサルフェートも作成できたことから、順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、まず化学的に合成したCTZエノールサルフェートと同じ化合物であるか検証を行い、CTZ類縁体の結果と合わせて、1つの硫酸化位置を特定する。さらに他のスルホトランスフェラーゼを用いて、硫酸化および硫酸化位置の特定を行う。
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Research Products
(2 results)