2023 Fiscal Year Research-status Report
Basic research on advanced utilization of squid by elucidating the properties of muscular protein, paramyosin
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21K05429
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
福島 英登 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60466307)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リコンビナント・パラミオシン / イカ筋肉由来パラミオシン / イカ肉加熱品 / 筋肉タンパク質の分解 / 筋原線維 / 動的粘弾性 |
Outline of Annual Research Achievements |
アカイカおよびアメリカオオアカイカ肉に対し0.5%の食塩を加え塩摺りして調製したイカ肉糊および両イカ肉から常法に従って調製し、終濃度2.5%のNaClで溶解した筋原線維を動的粘弾性測定の各分析に供した。肉糊ではアメリカオオアカイカに比べアカイカの方が弾性および粘性が高く、既報のアカイカ肉の高いゲル形成能を反映した。一方、両種の筋原線維は最も濃度の高い120mg/mlで明確な加熱ゲル化が認められ、その加熱ゲルはアメリカオオアカイカが弾性および粘性が高く、肉糊とは逆であった。その理由として、アメリカオオアカイカ肉に含まれる塩化アンモニウムが肉糊の加熱ゲル物性を低下させている可能性が考えられた。 両イカのリコンビナント・パラミオシン(rPm) 全長の3/4、1/2および1/4の分子量にあたるショートrPm (srPm)を複数の方法で発現および精製し、最終収量から最適な調製法を検討した。各発現用大腸菌をLB液体培地内にて37℃で対数増殖期に入るまで培養後、IPTGを終濃度50μMで添加し、20℃で96時間発現誘導した。菌体を回収後、超音波破砕により発現タンパク質を高イオン緩衝液に抽出した。その後、低イオン強度下で透析、析出した沈殿を遠心分離で回収し、高イオン強度下で再度透析し、srPmを精製した。各工程中の精製度合いは、SDS-PAGEで確認した。また、最終精製物のタンパク質量から収量を求めた。各srPmは分子量が小さくなるほど低イオン強度下で沈殿が析出し難く、これはフィラメント形成能の低下によるものと考えられた。また、srPmの高イオン緩衝液を弱アルカリ性(pH7.5)と弱酸性(pH6.8)として収量を比較したところ、弱酸性下で収量が増加した。こうした性状に留意することで以降の分析に必要なタンパク質量が調製可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ショート・リコンビナント・パラミオシン(srPm)の調製で通常サイズのrPmでは見られない性状を示し、分析に必要なタンパク質量が得られないことが判明した。これは、発現用の培地量を増やすこと、調製過程の緩衝液の組成を工夫することで解決することができたが、研究の進捗に遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、前年度に調製できるようになったアカイカおよびアメリカオオアカイカのrpmおよび全長の3/4、1/2、1/4にあたる各srPmを試料に用い、過年度に両種のイカ肉糊および筋原線維で行った動的粘弾性測定(温度分散分析:5-80℃、周波数分散分析:5℃および80℃、歪み分散分析:5℃および80℃)により、両種パラミオシンの加熱ゲル形成過程を明らかにすることで、肉糊ならびに筋原線維の加熱ゲル物性に及ぼす影響について考察する。また、両種パラミオシンの加熱ゲル形成能の違いがパラミオシンのどの領域に由来するかを分析する。
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Causes of Carryover |
令和5年度は、srPmの発現および精製において、rPmに比べ収量が少なく分析に用いる必要量が調製できなかった。この問題を解決するために検討を要したため実験が想定通りに進まず、予定していた学会への参加や出張を実施できなかったことにより次年度使用額が生じた。発現および精製過程の改変によりsrPmの調製に目途がついたことから、令和6年度はrPmおよびsrPmを用いた動的粘弾性測定を予定通り実施するとともに、得られたデータをまとめて学会等で発表する予定である。
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